2013 Fiscal Year Annual Research Report
白色矮星における非熱的放射の高感度探査と宇宙線起源説の検証
Project/Area Number |
23340055
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
寺田 幸功 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90373331)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 宇宙物理 / 宇宙線 / X線天文学 / ガンマ線天文学 / 白色矮星 / 中性子星 |
Research Abstract |
・エックス線観測衛星「すざく」を用いた白色矮星の観測データの解析を実施、白色矮星連星2天体における粒子加速の可能性を論じた。結果は査読論文にまとまりつつあり、「すざくMAXI国際会議」で成果発表を行った。また、次世代X線衛星ASTRO-Hを用いた白色矮星の観測計画を定量的に見積もり、計画を提案した。 ・エックス線観測衛星ASTRO-Hの較正情報・ソフトウェアの整備については以下の3点を特に進めた。(1) 各検出器の較正プランを精査、較正データベースの使用確定、(2)テレメとリーデータの出力フォーマットの確定、(3)高次データ処理ソフトの各検出器固有部の仕様確定。(1)および(3)に関しては日米欧の研究者を集め、それぞれ、日本で1日程度、米国で2日の小研究会を開催した。また、7月に米国、2月に愛媛で開催された「ASTRO-Hサイエンス会議」のソフトウェア較正セッションのチェアをつとめ、上記の成果の取りまとめを行った。また、ASTRO-Hの時刻付け精度計測に関しては、衛星搭載品を用いた検証実験を計画、指揮し、実際の計測を行った。 ・ガンマ線観測においては、ガンマ線望遠鏡CTAによる観測計画の議論に参加し、銀河系内の天体の観測可能性を定量的に議論した。 ・ガンマ線望遠鏡開発においては、CTA計画の焦点面検出器の基礎開発をすすめ、1800本納品された光電子増倍管の較正実験の立ち上げを行った。まだ較正実験自体は開始していないが、基礎特性を測定する試験系が立ち上がった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置開発に関しては、X線・ガンマ線ともに、おおむね順調である。これらの観測装置を用いた白色矮星の観測計画も提案し、進められている。 X線観測に関しては、すでに我々は10観測を実施し、合計710キロ秒もの観測データがある。順次、結果を国際会議や査読論文でまとめており、研究計画の約半分となる平成25年度末の時点で、約半数の観測のまとめが完了しているので、おおむね予定通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
X線・ガンマ線の装置開発に関しては、平成25年度までと同様に、次世代X線衛星ASTRO-Hと次期ガンマ線望遠鏡CTAの開発を続行する。ASTRO-Hに関しては、最終計画年度の頭に、初期観測が行われる予定でありそれに向けた開発等を行う。CTAも部分観測が最終年度末には実施できると期待できる。両観測装置への観測計画の策定と提案は、平成26年度も継続して行う。 X線観測のデータ解析は次年度も継続して行い、査読論文にまとめる。特に、米国のNuSTAR衛星が我々とは異なる観測結果を提示してきているので、彼らの公開データと合わせ、白色矮星の観測データを精査する。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] ASTRO-H衛星用時刻付けシステムの構築2014
Author(s)
寺田幸功, 山口直, 杉本樹信, 井上拓, 中谷創平(埼玉大), 小川美奈, 堂谷忠靖, 夏苅権, 尾崎正伸, 国分紀秀, 高橋忠幸(ISAS/JAXA),石崎欣尚(首都大学東京),水島和代, 小湊隆, 峯弘昭(NEC), 檜原弘樹,岩瀬かほり(NTSpace)
Organizer
日本天文学会
Place of Presentation
国際基督教大学
Year and Date
20140319-20140322
-
[Presentation] ASTRO-H衛星の時刻精度の測定2014
Author(s)
井上拓, 寺田幸功, 山口直, 杉本樹信, 中谷創平(埼玉大), 小川美奈,堂谷忠靖, 夏苅権, 尾崎正伸, 国分紀秀, 高橋忠幸(ISAS/JAXA),石崎欣尚(首都大学東京),水島和代,小湊隆,峯弘昭 (NEC) ,檜原弘樹,岩瀬かほり(NTSpace)
Organizer
日本天文学会
Place of Presentation
国際基督教大学
Year and Date
20140319-20140322
-
-
[Presentation] Systematic surveys of non-thermal emission from white dwarfs with Suzaku2014
Author(s)
Yukikatsu Terada, Masato Asahina, Takayuki Hayashi, Atsushi Harayama, Tadayasu Dotani, Manabu Ishida, Aya Bamba, Kazuo Makishima, Koji Mukai, Yuji Urata, Atsuko Nitta, Okkie de Jager, Paula Chadwick, Stefan Wagner David Buckley
Organizer
Expanding Frontiers of the X-ray Universe
Place of Presentation
愛媛大学
Year and Date
20140219-20140222
-
-
-
-