2013 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノの粒子・反粒子対称性の破れの測定と未来開拓
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23340056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (70272523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早戸 良成 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ニュートリノ / CP対称性 / CPT対称性 / スーパーカミオカンデ / 大気ニュートリノ |
Research Abstract |
素粒子物理学において、小林・益川理論として確立された三世代クォークの枠組みとは対照的に、レプトン(ニュートリノ)の枠組みの全容解明にはまだ多くの実験的検証が必要である。本計画は、ニュートリノの粒子・反粒子対称性(CP対称性やCPT対称性)の破れの実験的研究を行い、レプトンの数学的枠組みの理解を深める事を目的にする。具体的には世界最大のニュートリノ振動実験装置スーパーカミオカンデにおける高統計・高精度の大気ニュートリノ観測データの解析手法を改善し、ニュートリノ・反ニュートリノ対称性の破れの研究を行った。 まず大気ニュートリノ中のミュー型ニュートリノと反ミュー型ニュートリノを詳細に調べ、振動現象のふるまい(量やエネルギー依存性)に違いが見えず、振動に関わるニュートリノと反ニュートリノの混合角と質量パラメータに各々有為な差がないこと、すなわちCPT対称性が保存されているのと矛盾しないことがわかった。 またCP対称性の破れがないか調べた。太陽ニュートリノ研究から測定されるニュートリノパラメータに加え、平成24年に加速器と原子炉ニュートリノにより発見された3番目の混合角の情報も本研究に追加した。最もデータを良く説明するCP破れのパラメータの値は270度から300度であるが、信頼度90%では全ての値がまだ許されることがわかった。今後も観測を継続し、検証感度を向上させていく。 一方水チェレンコフ検出器の未来開拓として、安価で高性能な新光検出器の開発を行った。検出器の照射面(光電面)の感度を現行光検出器の約25%というものから30%以上に約3割の向上を達成し、その試作品を製作した。さらに検出器の心臓部に半導体検出器を用いた新型光検出器の基礎開発も並行して行い、試作品を製作した。今後長期的安定性も含めた性能評価と必要な設計改善を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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