2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代スパコンと3次元可視化技術による現実的低粘性領域での地球ダイナモ機構解明
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23340128
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
陰山 聡 神戸大学, その他の研究科, 教授 (20260052)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MHDダイナモ / 地磁気 / 太陽磁場 / データ可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで用いてきたイン=ヤン格子を拡張し、「イン=ヤン=ゾン格子」という新たな計算格子を開発した。イン=ヤン格子は、球の中心部分を解くことができないという問題があり、このためにこれまでの計算ではイン=ヤン格子の内側(地球ダイナモの場合は内核、太陽ダイナモの場合には放射層に対応する)領域は「穴」があいていた。イン=ヤン=ゾン格子はこの穴の部分をカーテシアン座標に基づくブロック状の計算格子で覆うものである。中心部分の格子をゾン格子と呼ぶ。イン=ヤン格子とゾン格子は重合格子手法に基づき相互補間によって接続する。イン=ヤン=ゾン格子の有効性と精度を確認するために(原点も含めた)球全体のスカラー場の拡散問題に適用した。この問題は解析解が求まっている。解析解とイン=ヤン=ゾン格子で得られた数値解を比較したところ高い精度で一致することを確認した。また、球内部の中性流体の回転運動や、MHD流体の自由(磁場と流れ場を持つ)緩和計算にも適用した。後者の問題は、初期条件として球内部に静止したMHD流体を設定し、そこにランダムに与えた磁場かける。したがって磁場はローレンツ(JxB)力の分布を持つ。この初期条件から緩和させると、流れと磁場が共に存在する状態に緩和し、準定常状態に落ち着くことが観察される。どちらの計算も問題なくイン=ヤン=ゾン格子で計算することができた。これらの結果を論文にまとめ投稿した。また、前年度に引き続き、対流層の下に安定層がある系でのダイナモ計算を行い、磁場の存在が作動回転分布に与える影響を解析した。可視化についても研究を進め、前年度までに提案した可視化手法をさらに発展させ「4次元ストリートビュー」という新しい可視化スタイルの確立を目指して各種のツールと手法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イン=ヤン=ゾン格子という新しい計算格子を開発し、それを論文にまとめるという年度当初の目的は達成できた。また作動回転分布も含めたMHDダイナモの状態遷移のメカニズムの解明というもう一つの目的もある程度達成することができた。なお、この研究成果についても論文として投稿した。一方、局所モデルを使ってタコクラインの維持機構を解明するという3番目に挙げた目標については十分な成果を得ることができななったので、これは今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
完成したイン=ヤン=ゾン格子を応用し、球の中心部分に磁場の拡散層(地球ダイナモの場合は内核、太陽ダイナモの場合は放射層に相当する)領域を設定した大規模MHDダイナモシミュレーションを実行する。このような計算はこれまでも他の研究者によって行われているが、球の部分の取り扱いは数値計算上並列計算には適さない方法が採用されていたため、超並列型スーパーコンピュータには適さなかった。本研究で開発したイン=ヤン=ゾン格子手法は、大規模並列計算に適したデザインとなっている。(並列数が少ないとむしろ逆に計算効率が悪くなる。)磁場拡散層の存在がMHDダイナモのグローバルなふるまいに与える影響を明らかにすることが一つの目標である。
可視化については、これまでに開発した4次元ストリートビューの実現のためにいくつかの技術的課題を克服する。まずはスーパーコンピュータ上でのin-situ(その場)可視化の実現方法を確立する。ここでのin-situ可視化とは通常想定されるような可視化用カメラが一つか二つ程度の単純なものではなく、可視化カメラが数百から数千個もある多数のin-situ可視化の同時実行を指す。(これが4次元ストリートビューを実現する一つの鍵である。)また、こうして多数の可視化カメラから生成された可視化動画を対話的に再生するための専用動画ブラウザの開発も前年度に引き続き続ける。これまでの研究で動画ブラウザの基本機能はほぼ完成しているが、速度やメモリの点で改良すべき部分が残っている。年度内のできるだけ早い時期にこれらの問題点を解決し、実際のダイナモシミュレーション結果の解析に適用する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] きまぐれな地球と律儀2014
Author(s)
陰山聡
Organizer
スパコンを知る集い in 大阪
Place of Presentation
大阪 エルセラーンホール
Year and Date
2014-09-28 – 2014-09-28
Invited
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[Presentation] MHDダイナモ2014
Author(s)
陰山聡
Organizer
プラズマ科学のフロンティア2014
Place of Presentation
核融合科学研究所
Year and Date
2014-08-08 – 2014-08-08
Invited