2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震発生メカニズム解明のための大型振動台を用いた高速摩擦実験
Project/Area Number |
23340131
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
福山 英一 独立行政法人防災科学技術研究所, 観測予測研究領域・地震・火山防災研究ユニット, 総括主任研究員 (60360369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川方 裕則 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80346056)
|
Keywords | 断層 / 岩石摩擦 / 大型試料 / 振動台 |
Research Abstract |
防災科学技術研究所所有の大型振動台上に大型2軸摩擦試験機を構築し、長さ2mの大型岩石試料を用いた摩擦試験を行った。岩石試料として、インド産のはんれい岩を準備し、表面の荒さを24μm以下に抑えた加工を行った。実験に先立って、感圧シートを用い、面の接触具合を調べた。面にかかる圧力分布は、事前に有限要素法にて計算を行っていた予測とかなり近いものであり、法線応力をかけるプレスの機能は、うまく働いているものと判断された。さらに、試験機の強度を測定するために、岩石試料同士がすべらずに変形のみをするような実験条件下で変形実験を行い、試験機各部の強度を測定した。その結果、試験機の半力受け部分に強度の弱い部分が発見された。さらに、そこの強度が十分でないために、高速すべりを行う条件下では、スティックスリップがおこることがわかった。そこで、今年度は、低速すべりの実験を中心に行い、摩擦係数を調べた。摩擦係数は0.7程度であり、大きな試料を用いても、摩擦係数はこれまでの小スケールサンプルを用いた実験と同程度の値であり、低速すべりの場合は、試料サイズの影響は小さいことがわかった。さらに、ひずみゲージ、加速度センサー、AEセンサー、ハイスピードカメラなどを用い、センサーの安定性と分解能を調べた。当初、金属製のひずみゲージを利用していたが、分解能が十分でないことが判明し、半導体ゲージに交換したところ、十分な精度でひずみデータが取得できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの実験が行われ、必要なデータが得られている。ただし、東京電力からの夏期節電要請により、振動台の運用スケジュールが変更となり、実験が年度末にスケジュールされたため、データ解析は概略の解析のみを行っており、詳細な解析は次年度に行うこととなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
試験機の各部の強度を調べたところ、一部、強度の弱いところがあり、高速すべりの実験を行うと、スティックスリップが発生してしまうことがわかったため、次年度において、この部分に関して、試験機の改良を行う。また、同時に、スティックスリップが発生している部分における応力ひずみ関係を測定して、岩石全体の挙動から得られている応力すべり関係と比較し、ミクロな摩擦の振る舞いが、マクロな摩擦にどのように寄与しているのかを調べる予定である。
|