2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドアンビルセルNMRによる地球惑星内部の水素系物質の高圧その場観察
Project/Area Number |
23340161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥地 拓生 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (40303599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳野 極 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (30423338)
佐々木 重雄 岐阜大学, 工学部, 教授 (30196159)
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Keywords | NMR / 水素 / 高圧力 |
Research Abstract |
地球型惑星、氷惑星、氷衛星の形成と進化の過程の理解において、それらの天体をつくる鉱物、氷、ガスハイドレートに含まれる水素の物理化学的性質の研究は本質的である。水素は最も拡散が速い元素であり、また水素結合をつくることから、その挙動には他の元素にない特異性がある。鉱物中の水素は、微小な拡散によって鉱物の塑性変形を助け、マントルの流動を促進させる。また氷やガスハイドレートの粘性や電気抵抗が、高圧下で低下する場合があるが、これは圧縮により水素結合が変化して、水素の拡散が容易になるためだと考えられる。以上の物質の水素の化学結合状態とダイナミクスを高圧力下その場で調べるために、これまでに独自に開発してきたダイヤモンドアンビルセルNMR法の応用を進めている。 本年度の成果としては、サファイアアンビルを用いた高圧力その場NMRの実用化に向けた技術開発において進展があった。サファイアアンビルは球形のサファイアボールからNMRの用途に適した形状に加工を行った上での応用を進めている。このアンビルを用いて高圧力発生を行うための高圧セルを新たに設計製作した。両者の組み合わせによって、試料容積にもよるが、約2GPaまでの圧力発生が可能になっている。この技術によって、発生圧力はやや低下するものの、ダイヤモンドアンビルよりも5倍程度大きなアンビルサイズを実現することが可能になった。これは試料体積としては100倍程度の増加であり、従来よりも微小な量の水素からのNMR信号の測定を可能ならしめることが今後期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初に使用を計画していたモアッサナイトアンビルの単価が大きく上昇したことで、必要量の確保が難しくなり、その代替のために新たにサファイアアンビルのNMRへの応用を試みた。このサファイアアンビルNMR技術の実用化のための時間を必要とした。
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Strategy for Future Research Activity |
サファイアアンビルの形状をさらに最適化して発生圧力を向上させるとともに、ガスケットの材料および形状を最適化することで、より均質な静磁場中でのNMRスペクトル取得を行い、スペクトルの形状を改良する。
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Research Products
(3 results)