2011 Fiscal Year Annual Research Report
コアシェル型ナノ微粒子増強ラマン分光法による白金高指数面電極の実構造解析
Project/Area Number |
23350002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星 永宏 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30238729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 将志 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70348811)
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Keywords | ラマンスペクトル / 白金単結晶 / 酸化皮膜 / 金ナノ微粒子 |
Research Abstract |
Pt(111)電極上の酸化皮膜(PtOH,PtO)の実体をラマンスペクトルで明らかにするために,ナノ微粒子増強ラマン分光装置の立ち上げを行った。 電気化学系でナノ微粒子増強ラマン分光を行うためには,高感度のラマン分光器の選定,20~50nmサイズの金ナノ微粒子の作製,金ナノ微粒子のPt(111)表面への担持法の確立,ラマン分光用セルの作製,が必要である。 ラマン分光器はKaiser Optical SystemのRamanRxn1 Analyzer-633を最適機種として選定した。テトラクロロ金(III)四水和物をクエン酸三ナトリウム2水和物で還元して,20nmサイズの金ナノ微粒子の合成に成功した。単結晶電極のナノ微粒子増強ラマン測定を行うためには,下向きに配置したPt単結晶面に下方からHe-Neレーザー光を対物レンズを通して照射し,焦点を合わせる必要がある。そのための,ラマン分光セルを設計し作製した。ラマンセル中でPt(111)電極のボルタモグラムを測定し,電気化学セルとして使用できることを確認した。 さらに,ナノ微粒子増強ラマン分光測定の標準試料である4-aminothiophellolをAu(111)に担持し,金の微粒子で挟んだ系で,ラマン測定を行い,既報通りのラマンスペクトルを得た。これにより,ラマン分光器とラマン用セルの性能に問題がないことを確認した。 Pt(111)上に金ナノ微粒子を担持し,観測対象であるPt酸化皮膜と金ナノ微粒子上の酸化皮膜を電位で分離できることを確認した。 現在,酸化被膜のラマンスペクトルの測定に移りつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白金酸化皮膜のナノ微粒子増強ラマンスペクトル測定のためには,レーザー光のパワーをできるだけ小さくする必要がある。レーザー光のパワー測定のためには,パワーメーターが必要であるが,その納品に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
白金酸化被膜のナノ微粒子増強ラマンスペクトル測定に最適なレーザー光のパワーをパワーメーターを用いて決定し,白金基本指数面ゐ酸化被膜のラマン測定を実施する。
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