2012 Fiscal Year Annual Research Report
電波伝搬測定に基づくMIMO通信容量の評価とその改善に関する研究
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23360166
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 恭孝 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (70125293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鐘 武雄 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (10271636)
西村 寿彦 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (70301934)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | MIMOチャネル / OFDM / 散乱体 / 時変動チャネル / チャネル予測 |
Research Abstract |
1.MIMO伝搬路の周波数領域測定を行うため、LTE規格のOFDM信号の伝搬路出力をシグナルアナライザで計測する測定系を構築した。伝搬路をフェージングシミュレータにより模擬して試験を行い、伝搬路測定が可能であることを明らかにした。 2.伝搬路の散乱体を検出するTime-Reversal MUSICアルゴリズムにおいて時間領域と空間領域の2次元のゲーティングにより、SN比を向上させるとともに、一度に検出しなければならない散乱体の数を減少させ、散乱体の検出性能を向上する方式の開発を行い、提案方式の有効性を確認した。 3.Time-Reversal技術を通信に応用することによって、広帯域マルチユーザ伝送法の特性改善を図る検討を行ったが、ユーザ間干渉を現実的なアンテナ数では抑圧できないことが分かったため、周波数領域でのブロック対角化と固有ビーム空間分割多重を行う方式を開発し、良好な特性を確認した。 4.無線伝搬路の周波数相関は、周波数ダイバーシチ効果の評価やOFDM信号のチャネル推定のためのパイロット信号挿入間隔の決定などに重要な役割を果たす。これまでの周波数相関は単一のアンテナについて定義されていた。本研究では、これを分散アンテナ系に拡張し、その定義を明らかにするとともに数値計算によって、その評価を行った。 5.時変動環境における下り回線のマルチユーザMIMOシステムにおいては、チャネル測定を行う時刻と実際の送信を行う時刻には遅延が生ずるため、ユーザ間干渉やストリーム間干渉が発生する.パイロット信号を用いた過去のチャネルの直線外挿により,実際の下り回線送信時刻におけるチャネルを予測する手法を屋内で測定されたチャネルに適用し、その評価を行った。その結果、HIPERLAN/2の規格において歩行速度程度の時変動環境であれば、上記の直線外挿で充分な改善効果が得られることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実測されたMIMOチャネルを用いて、その特性改善を行うことは本研究の重要なポイントである。時変動環境におけるマルチユーザMIMOシステムをチャネルの直線外挿という、適用が容易な方式によって性能改善が可能であることを実測データにより明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに考察を行ったチャネルの予測精度を改善するため、AR法や更に高度な予測手法を検討し、実測されたMIMOチャネルを用いて評価する。
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Research Products
(7 results)