2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360176
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡 和彦 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00194324)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | チャネルド偏光計測 / 分光偏光計測 / 撮像偏光計測 / 高速偏光計測 / 高精度偏光計測 / サバール板 |
Research Abstract |
チャネルド偏光計測法は、偏光状態の波長分布ないし2次元空間分布を、偏光変調素子を用いずに測定できる方法であり、他の偏光分布計測法には無い高速、小型、高安定などの様々な特徴を有している。本研究では、この計測法をさらに発展させるために、原理の改良と特性の抜本的な改善を目指している。平成24年度の主な成果は下記2点である。 1.分光偏光計測用チャネルド偏光計の新原理の開発 これまでのチャネルド偏光計による分光偏光計測には、波長分解能と同時測定可能な波長範囲に制約があった。本研究では、この問題を抜本的に解決するために空間キャリアを利用する新しい分光偏光計測法を提案した。2枚の変形サバール板とフーリエ変換レンズを利用した光学系により、2次元分光器の入射スリット上にヤングの干渉縞を発生する。分光器から得られたスペクトルには、被測定光の偏光情報を持つ3種の空間軸方向の縞が重畳されている。このスペクトルを各波長毎に空間軸方向にフーリエ解析すると、偏光状態の波長分布が求められる。この計測法では、これまでのチャネルド分光偏光計測で用いられてきた波長キャリアの代わりに、空間キャリアを利用して偏光状態の波長分布を求める。このため、偏光計測の波長分解能を分光器のそれと同一にすることが可能となる。本法の有効性は、基礎実験により確認された。 2.撮像偏光計測用チャネルド偏光計の基本性能向上 チャネルド偏光計による撮像偏光計測は、2枚の変形サバール板をフーリエ面に配置した結像光学系を利用することにより、被測定光の偏光状態の2次元空間分布をスナップショットで測定できる方法である。本研究において我々は、実験と理論の両面から本偏光計の基礎特性を精査し、いくつかの誤差要因を見出し、測定精度を高めることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時に掲げた「分光偏光計測用チャネルド偏光計の新原理の開発」と「撮像偏光計測用チャネルド偏光計の基本性能向上」の2つの目標いずれについても、当初の目標をおおよそ達成できた。ただし、両者ともまだ改善の余地が残っており、現在その解決に向けて鋭意努力中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、上記2つの主目標を中心に、チャネルド偏光計に関する研究をすすめる。「分光偏光計測用チャネルド偏光計の新原理の開発」については、本法の基礎特性の解析とその向上を目指して研究を行う。一方、「撮像偏光計測用チャネルド偏光計の基本性能向上」については、誤差解析を進め、さらなる性能向上を目指す。
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