2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハンドハプティックインターフェイスによる手技伝達の研究
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23360184
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川崎 晴久 岐阜大学, 工学部, 教授 (40224761)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ハプティクス / バーチャルリアリティ / 制御工学 / ユーザ・インターフェイス / シミュレーション工学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
医療における触診,ものづくり現場や伝統工芸における手技などは、熟練した先輩から長期にわたりその手技技術の指導を受けて学ぶ。しかし、手技を伝える学習では、手の動き、指先での力の使い方、指腹部や掌での力の感触を手全体の感触として伝えなければならないが、このための直接的手段がないため、訓練者は熟練者の操作を見様見真似で学んでいるのが現状である。従来の手技の伝達法の研究は、指先のみに限られており,手技情報の伝達精度に問題があり、訓練者による手技の習得を難しくしている。この問題の解決に向けて、本研究は、1)指先,指腹部,掌を含めた手全体での力覚の知覚特性の解明,2)指先のみならず指腹部,掌を含めたハンドハプティックインターフェイスの確立,3)多点の接触判定と抗力計算や柔軟物体の変形等の力覚レンダリングの実時間処理法の確立,4)熟練者の技能の初学者への手技伝達法の確立を目指している。 平成25年度は,(1)手の映像と力の同時提示における知覚特性の評価,(2)手の映像と力の同時提示における手技伝達法の基礎検討,(3)GPUを用いた触覚レンダリングの基礎研究を実施するとした.(1)については,ハンドハプティックインターフェイスを用いたとき,操作者が能動的に操作するとき操作者は操作しないが対象物が動く受動的なときで,指腹部力覚提示デバシスの配置により知覚が大きく異なることを明らかにした.(2)については,指先のみの力覚提示であるが,手の映像の有無による手技伝達の効果について比較検討し,姿勢を含めた手技伝達ではその映像の効果を示した.(3)については,乳房触診を対象とした有限要素法を基礎とするGPUを用いた演算アルゴリスムを開発し,表面の三角メッシュ数で実時間で生体の変形と反力を計算できるようになり,その研究成果は国際会議ARIBO’13で発表した.しかし,さらに高分解能化が課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハンドハプティックインターフェイスの確立にむけ,従来の指先のみの力覚提示と比較し指腹部を含む力覚提示の効果を明らかにできた.ユーザ評価の結果,力覚提示デバイスの小型化が課題であることが判明し,当初計画に含まれていないが,前年度までのものと比較し,体積で40%程度の小型化した新規な力覚提示デバイスを開発した.また,GPUを用いた触覚レンダリングでは,実時間演算を実現できた.
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Strategy for Future Research Activity |
ハンドハプティックインターフェイスを用いた手技伝達では、そのインターフェイスの開発が重要であり、世界に類のないハンドハプティックインターフェスを開発したが、さらに改良が必要である。乳癌触診訓練システムに向けた力覚レンダリングは、指先のみであるが実時間演算を実現した。今後、指腹部を含めた力覚提示に拡張し、本システムの有効性を検証する。
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Research Products
(14 results)