2012 Fiscal Year Annual Research Report
高信頼性確保のための浮体式洋上風力発電施設の設計手法高度化に関する研究
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23360196
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇都宮 智昭 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10211773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
池上 国広 長崎総合科学大学, 工学部, 教授 (70320405)
石田 茂資 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋エネルギー研究グループ, グループ長 (30360712)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 洋上風力発電 / 浮体構造物 / 動的応答 / 連成振動 / マルチボディダイナミクス / 浮体式洋上風力発電 |
Research Abstract |
実稼動状態での浮体式洋上風力発電施設の動的挙動と発生応力を正確にシミュレーションできるプログラムを開発することで、設計手法の高度化を行い、施設の高信頼性確保につなげることを研究目的とし、以下A~Cのサブテーマに従って研究を実施した。以下、それぞれの成果を要約する。 A.マルチボディダイナミクスを基礎とするシミュレーションプログラムの開発:NREL/FASTをプリプロセッサとし、MSC.Adamsをソルバーとして用いることで、有限な剛体変位、係留系の非線形反力特性、スパー型特有のMathieu Instabilityの再現、風車ブレード・タワー・浮体基礎の弾性変形の全てを考慮可能とし、また風車のピッチ制御アルゴリズムをBladed-DLL形式で組み込み可能なシミュレーションプログラムの作成を基本的に終了した。 B.実海域洋上での自然環境外力のモデル化:別途実施された環境省浮体式洋上風力発電実証事業により、100kW風車を搭載した小規模試験機の設置が完了し、常時ならびに台風時のデータが取得された。特に台風16号通過時に取得されたデータはほぼ再現期間50年に相当する極値事象であり、暴風時における自然環境外力のモデル化検討の貴重なデータとなっている。設計条件との比較により、設計条件における吹送流の設定がやや過小傾向と思われるものの、波、風のモデル化手法はほぼ妥当であることが確認された。さらに詳細な検討をH25年度に実施する。 C.水槽実験および実海域実験に基づくシミュレーションプログラムの検証:台風16号通過時における波・風の実測データと本研究で開発したシミュレーションプログラムを用いて小規模試験機の動揺シミュレーションを行い、実測値との比較をおこなったところ、浮体動揺、タワーひずみ、係留張力ともにほぼ一致する結果が得られ、暴風時におけるシミュレーション手法の妥当性が検証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A~Cのサブテーマのうち、Aのプログラム開発は、当初予定していた部分は基本的に終了しており、また、B、Cについても台風時における実測データが取得でき、シミュレーションプログラムとの比較・検証がおこなえる等、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、当初研究計画に従って今後も研究推進していく予定である。
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Research Products
(9 results)