2012 Fiscal Year Annual Research Report
高レベル地震動に対する既存超高層建物の各種劣化要因を考慮した耐震性評価と高耐震化
Project/Area Number |
23360245
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
上谷 宏二 摂南大学, 理工学部, 教授 (40026349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 昭彦 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (60136520)
五十子 幸樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20521983)
田川 浩 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70283629)
荒木 慶一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50324653)
山川 誠 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50378816)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 既存超高層建物 / 巨大地震 / 耐震性評価 / 高耐震化 / 最適化 / 変位制御型ブレース / 心棒架構 / 劣化 |
Research Abstract |
既存超高層建物の耐震性評価に関して、以下2項目の検討を実施した。(1)既存RC造超高層建築物の耐震性能評価を行った。解析は、昨年度と同様で、PΔ効果を考慮し、部材の局部的な損傷に対する耐力と剛性の劣化を考慮したものである。RC造の耐震性能は、S造と比較して、層崩壊の可能性が高く、過大な地震入力に対する余裕も小さいことを明らかにした。(2)超高層鋼構造骨組が強震動を受けた時に発生する下層部変形集中現象に対して、減衰が与える影響について検討した。まず基礎的検討として、超高層鋼構造骨組の等価一自由度縮約系に対してPΔ効果の影響を考慮し、線形粘性減衰が一方向への残留変形の累積に与える影響を検討した。 既存超高層建物の耐震性向上に関して、以下3項目の検討を行った。(1)耐震性向上システムを設計支援プログラムとして実装するために必要となる時刻歴応答解析による応答値・塑性崩壊荷重を設計条件として扱うことに適した構造最適化手法の研究・提案を行った。(2)20層5スパン鋼構造骨組を用いて,変位制御型ブレースによる部分補強と全層補強について補強特性を分析した。地震動が極めて大規模になると局所層の変形増大が顕著となる場合に対する補強法の1つとして,変位制御型ブレースが有効利用できる可能性があることを明らかにした。(3)心棒架構を付与することで、既存骨組が負担する地震力の増加を抑制した上で、長周期パルス地震動に対する最大変形を大きく低減できることを、幾何非線形と材料非線形を考慮した非線形時刻歴応答解析を通じて実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進んでおり、成果の公表も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで進めてきた研究をさらに推進するとともに、シンポジウムなどを通じて学術界、産業界及び一般社会への成果公表に一層尽力する。
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Research Products
(11 results)