2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23360270
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 直人 慶應義塾大学, 環境情報学部, 講師 (30345079)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 茂夫 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00396607)
津々見 崇 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40323828)
佐野 浩祥 立教大学, 観光学部, 助教 (50449310)
初田 香成 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70545780)
西成 典久 香川大学, 経済学部, 准教授 (90550111)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 都市計画史 / 松江 / 藤沢 / 国際研究者交流 / 中国 / シヴィックアート / 都市計画遺産 / イェール大学 |
Research Abstract |
【1】国内の都市計画遺産の実態把握と研究成果の学術論文化: 国内の都市計画遺産に関して、その定義や基準の整理を行い、リストアップの作業に着手した。また、松江の官庁街については、中野が学術論文というかたちでまとめ、2012年11月の日本都市計画学会大会にて発表した。藤沢の防災建築街区については、中島が学術論文というかたちで研究成果を日本建築学会計画系論文集に投稿し、2013年2月に採用が決定した。 【2】海外における都市計画遺産関連の取り組み調査の整理: 2011年度に実施したイギリス、アメリカ、オーストラリアにおける都市計画遺産関連の取り組み調査について、2013年5月11日にその報告会を実施し、各国の取り組みを比較する視点からの議論を行った。文化財の拡張という動機から、都市計画のプレゼンテーションという動機まで、それぞれの国の取り組みの動機の相違について整理を行うことができた。オーストラリアについては、2013年3月に補足調査を実施した。 【3】都市計画遺産セミナーの開催と開かれた議論の展開: 都市計画遺産に関して、その意義や関連する取り組みについて、広く情報を収集し、かつ開かれた議論を行うため、2013年3月8日に都市計画遺産セミナーを開催した。イェール大学建築学部のアラン・プラッタス教授を招聘した。『シヴィックアート:その遺産と現代的意義』という題目の講演後、歴史への言及と実践活動との関係について議論を行った。 【4】都市計画遺産国際交流の準備: 日本における都市計画遺産の特質を解明すること、および都市計画遺産の概念をより深化させていくために、日中間の学術交流を進めた。2013年3月には、新たに中国城市規劃学会の都市計画史委員会が設置された東南大学、中国内で都市計画研究が最も盛んな同済大学と現地にて打ち合わせを行い、今後の都市計画遺産を巡る学術交流についての検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2011年度は、東日本大震災後の復興プロセスへの対応という緊急課題が生じ、当初予定とは異なる研究を展開したが、2012年度は、もともとの研究目的を再度確認し、都市計画遺産の概念構築と実態把握を進めることができた。特に、概念構築において、有効だと考えている国際的なネットワークの中での議論については、都市計画遺産セミナーや中国の研究者との交流という面で、大きな進展を見せた。実態把握についても、研究成果を学術論文として発表する段階に進むことができた。以上より、おおむね、順調に進展していると評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、本研究課題の最終年度にあたる。2012年度の成果を引き受けつつ、とりまとめを意識しながら、下記のような推進方策を考えている。 【1】学術論文としての積極的な発表 特に海外における都市計画遺産関連の取り組み調査については、準備を進めている。 【2】ウェブサイト他、メディア等を駆使した情報発信と開かれた議論の展開 2012年度は都市計画遺産セミナーの開催で開かれた議論の場を創出したが、まだその機会が少ないと考えている。そこで、ウェブサイトでの情報発信の強化やセミナーの開催、また、研究成果の書籍化などを進める予定である。 【3】国際的学術交流の促進体制 都市計画遺産概念の深化のために、国際的な学術交流の体制を構築する必要がある。2013年度は日中間での体制を確立させたい。 以上の方策を通して、都市計画遺産の概念構築と実態把握を進める予定である。
|
Research Products
(11 results)