2011 Fiscal Year Annual Research Report
変動帯における結晶質岩中透水性亀裂の形成・寿命・機能評価に関する応用研究
Project/Area Number |
23360400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Earth system and resources enginnering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 教授 (30324403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 鋼志 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70183689)
浅原 良浩 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (10281065)
水戸 義忠 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40229753)
勝田 長貴 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377985)
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Keywords | 応用地質 / 割れ目 / 年代測定 / 寿命 |
Research Abstract |
現在,放射性廃棄物の地層処分や液化天然ガス(LPG)の地下備蓄などといった,大規模かつ長期的に地下環境・空間を活用する試みが進められている。その対象岩盤として,花崗岩などの結晶質岩(亀裂性岩盤)は重要な候補岩種である。このような地下環境・空間利用を安全に遂行するためには,地下岩盤中の亀裂が長期にわたって水理学的にどのように機能するのかを明らかにする必要がある。本研究は,これまで萌芽研究として進めてきた「透水性亀裂の寿命」に関する基礎研究の成果を発展させ,我が国の地下環境利用の対象岩種の1つである結晶質岩中の透水性亀裂の機能とその寿命について,地球科学的データと工学的解析手法を組み合わせた総合的評価手法を構築することを目的とするものである。 これまでの研究の結果から、結晶質岩中の透水性亀裂中の充填鉱物の組織と鉱物種を詳細に観察、分析することによって、透水性亀裂の発生~現在までの定性的なプロセスを理解することが可能であることが分かった。とくに、現在も透水性を示す亀裂には、炭酸塩鉱物が必ず沈殿、形成されており、透水性亀裂の判断指標として用いることが可能であることも確認できた。これらの炭酸塩鉱物は、基本的に自形をした結晶であり、透水性亀裂中の空間が未だ地下水の水みちとして機能していることを示すものである。 今後の予定としては、とくに炭酸塩鉱物に着目し、その成因と併せて透水性亀裂の寿命、年代尺度の導入を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果に関しての学会発表や論文雑誌への掲載を行うことができており、研究の進行はおおむね順調と考える、
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、それまでの研究データをもとに、下記の実施項目のうち: +国内複数の結晶質岩中亀裂の形態等構造学的フィールド調査 +透水性亀裂充填鉱物の鉱物学的・地球化学的分析・年代測定調査 +透水性亀裂のシーリング等に伴う下水流動モデル影響解析 ++に掲げる,亀裂の形成・構造・寿命等に関する形成モデルの検証と,三次元ネットワーク地下水流動モデルによる影響解析に主眼をおいて実施する。
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