2014 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧非平衡プラズマと固体抽出剤を用いたハイブリッド核種分離法の研究開発
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23360423
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 達也 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70323839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 雅伸 近畿大学, 理工学部, 准教授 (50415866)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核燃料サイクル / 燃料再処理 / 固体抽出材 / クロマトグラフィ / 大気圧非平衡プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
イミダゾール型樹脂を用いて、ウランを含む模擬廃液による塩酸系でカラムを用いた吸着試験を実施し、分離データを収集した。また、高レベル放射性廃液中のアルカリ金属イオンを除去する方法として、アルカリ金属イオンの吸着に優れた特性を示す無機イオン交換体をポーラス状の有機体に固定する方法を開発した。この方法により、事前に線量の高いセシウムやストロンチウムを簡便に除去できることが期待できる。クラウンエーテルを官能基とする固体抽出剤を用いた研究では、抽出剤の繰り返し利用や金属イオンの相互分離の観点から、吸着性金属イオンの溶離挙動について検討した。塩酸濃度増大と共に分配係数が増大する複数の金属イオンのうち、吸着した金属イオンが水では溶離せず、キレート剤を溶離剤としても溶離率がさほど向上しないものがあることがバッチ試験により明らかとなった。また硝酸系における吸着性金属イオンは分配係数の硝酸濃度依存性が小さいことを既に見出しているが、硝酸濃度の変化だけでは吸着した金属イオンの効率的な溶離は困難であることを、カラム試験より確認した。 燃料溶解のために行う大気圧非平衡プラズマによる化学転換法開発に関しては、工学的に大量処理が可能なシステムの試行として、基礎実験で用いていた平板型電極を用いたプラズマ生成法から円筒型電極を用いたプラズマ生成法への切り替えて実験を行った。現状では発生したプラズマは、まだ不安定では合ったが、ペレット等の現実的な大きさのものに対応できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ピリジン樹脂、イミダゾール樹脂、内径の異なるクラウンエーテル樹脂など、種々の固体抽出剤を、塩酸、硝酸両系で、吸着可能な金属イオンのデータをほぼ取得しており、模擬溶液を用いた試験も実施し吸着特性を確認している。また、クラウンエーテルでは、固体抽出剤のγ線に対する耐久性に関するデータも蓄積中であり、おおむね順調に進展している。 大気圧非平衡プラズマによる化学転換法に関しても工学的に使用可能なプラズマを得るために電極形状を変えて実験を実施しており、めどが立ちつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に引き続き、固体抽出剤であるピリジン樹脂、イミダゾール樹脂、および空孔径の異なるクラウンエールを官能基とする固体抽出剤を用いて使用済燃料中に含まれる元素の固体吸着剤への吸着特性を評価するとともに、クロマトグラフィ試験によるより詳細に分離・抽出特性を評価する。特にクラウンエーテル樹脂に関しては、必要に応じてキレート溶離剤の検討を本格的に行う。 上記での研究で得られたデータに基づき、核種分離の分離操作を検討し、原子炉内で照射した燃料を用いたホット試験を実施し、一連の分離操作を確認し、工学的成立性を確認する。 また、燃料溶解のために行う大気圧非平衡プラズマによる化学転換法開発に関しては、昨年度に引き続き、工学的な観点から装置を改良し、連続操作や大量処理に適したものとする。
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Research Products
(8 results)