2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム安定化に寄与するRECQL1とRECQL5の機能の解析
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23370065
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
榎本 武美 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (80107383)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ゲノム安定維持機構 / 発がん抑制 / 遺伝子組換え / RecQヘリカーゼ / RECQL1 / RECQL5 |
Research Abstract |
RECQL5遺伝子破壊株がマイトマイシンCやシスプラチンに感受性を示すことから、本年度は、DNAクロスリンクの修復におけるRECQL5の役割を、組換え修復に焦点を絞り解析した。特に、RECQL5とBRACA2やRAD54との機能的関連やRAD51foci形成に関して解析を行った。 1)マイトマイシンC処理後のRAD51fociの形成を調べたところ、RECQL5遺伝子破壊株でも野生株と同様にRAD51fociが観察され、RECQL5遺伝子破壊株ではRAD51fociの消失が野生株に比べ遅延することが明らかになった。 2)RECQL5と、RAD54、BRACA2遺伝子それぞれの二重遺伝子破壊株を作製して遺伝学的に解析することにより、DNAクロスリンクの修復においてRECQL5は、RAD54とは別経路で、BRACA2とは同一経路で働くことが判明した。 3)RECQL5、RAD54遺伝子単独破壊株を用いてRAD51fociの形成を調べたところ、RAD54遺伝子破壊株では、RECQL5遺伝子破壊株と同様にRAD51fociの消失が野生株に比べ遅延し、二重遺伝子破壊株では更に遅延することが判明した。 4)RECQL5、BRACA2遺伝子単独破壊株を用いて、DNA組換えにおける両者の関係を姉妹染色分体交換(sister chromatid exchange、SCE)を指標に調べた。その結果、マイトマイシンCによりRECQL5遺伝子破壊株ではSCEが増加するが、BRACA2遺伝子破壊株ではSCEは増加せず、二重遺伝子破壊株でも増加は観察されなかった。以上の結果から、RECQL5 は組換え修復においてBRACA2の下流で機能し、RAD51フィラメント形成以降の過程で機能していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAクロスリンク剤によるDNA傷害部位へのRECL5の集積や、RAD51フォーカスの形成と消失に関する解析は予定通り進展した。また、RECQL5とDNA組換えに関連するBRACA2やRAD54との機能的関連に関し、DNAクロスリンク剤によるDNA傷害の際には、RECQL5はBRACA2の下流で機能し、一方、RAD54とは独立に機能することを示すことができたことから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAクロスリンク剤による免疫グロブリン遺伝子の組換えの誘導機構について解析するとともに、この過程におけるRECQL5の機能を解析する。特に、組換えられたDNAの塩基配列を解析することにより、RECQL5がどのような組換えを抑制しているのかを調べる。さらに、RECQL5の機能がRAD51フィラメントの形成阻害と関連しているのか否かを調べる。
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Research Products
(9 results)