2011 Fiscal Year Annual Research Report
KcsAカリウムチャネルpH依存性ゲーティングダイナミクスの一分子構造機能解析
Project/Area Number |
23370067
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
老木 成稔 福井大学, 医学部, 教授 (10185176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 啓史 福井大学, 医学部, 講師 (50324158)
岩本 真幸 福井大学, 医学部, 助教 (40452122)
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Keywords | イオンチャネル / 構造変化 / 一分子計測 / ゲーティング / 濃度ジャンプ |
Research Abstract |
本年度はDXT(Diffracted X-ray Tracking)法におけるpHジャンプ実験の確立とデータ収集を行い、データ解析のためのプログラム開発を行った。caged化合物を使用することにより中性pHからpH4まで効率よく溶液pHをジャンプし、それにより閉構造からゲートが開き始める過程を追跡することができた。とくに注目したのはpHジャンプから大きく構造変化をはじめるまでの時間経過、およびその期間に何がおこっているか、という点である。これらの現象を定量的に解析するための方法を現在検討中である。これと並行して単一チャネル電流によるpH変化におけるゲーティング特性の実験と解析を行った。従来のpHジャンプの実験では巨視的電流しか報告されておらず、単一チャネルでのゲーティング変化を詳細に捉えられていない。私達は定常条件ではあるが、詳細なpH依存性ゲーティング変化を単一チャネルレベルで実験を進めた。この測定は長時間記録であるため脂質平面膜に単一のチャネルしか存在しないことが証明でき、真に単一チャネルのゲーティング特性を測定していることになる。予想していなかったゲーティングの効果を発見することができた。一方、酸性pHでの開状態におけるボア開口部の構造についての実験データを原子間力顕微鏡により得ることができ、さらに分子動力学法により開構造を求めた。これらの結果と単一チャネル結果との対応を付けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射光施設の実験時間確保など、さまざまな制約はあるが、SPring-8だけでなく、ESRFなどで十分な実験時間を確保すべく最大限の努力を行っている。一分子測定として他の方法で新しい情報が得られ、多様な結果を統合し、ダイナミック像を得る状況に近づきつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は現在の状況を維持すればよく、変更はない。解析プログラムが完成しつつあり、これを使って現在までの膨大なデータを解析する。
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Research Products
(34 results)