2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いた哺乳類セプチン系の生理機能の探索と解析
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23370084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 専 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30273460)
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Keywords | 細胞骨格 / 蛍光イメージング / 電子顕微鏡 / マウス |
Research Abstract |
酵母からヒトまで保存された重合性GTPaseセプチンは、アクトミオシンや微小管と協調して細胞形態制御に関与する一方、多様な膜蛋白質の局在や機能を規定する拡散障壁や足場を形成する。しかし、その多機性とサブユニット間の機能重複のために、特に哺乳類での細胞機能、生理機能、病態との関連には不明な点が多い。そこで、独自に作製したSept7コンディショナル・ノックアウトマウス由来のMEFを樹立して細胞・蛋白質レベルでセプチンおよび関連分子ネットワークの解析を行っている。初年度は初代培養線維芽細胞を樹立し、解析系を立ち上げた。セプチンをRNAiで枯渇させた株化細胞における染色体分配異常は以前米国グループとの共同研究成果として報告したが(Spiliotis, Kinoshita, Nelson, Science 2005)ノックアウトした初代培養細胞で新たな知見が得られたので、24年度はこの分子メカニズムの解析に集中する。また、アクチン・ストレスファイバーの構築に関して株化細胞でのRNAi(Kinoshita et al., Dev Cell 2002)とは異なる興味深い知見が得られたので、関連研究として米国グループから報告されたSOCS7/NCK/ATM-ATR-Chk1/2-p53の系(Kremer, Macara et al., Cell 2007)も並行して解析したところ、株化細胞と初代培養細胞との異同が明らかになってきた。また、組織・細胞の微細形態と分子局在をナノメートルスケールで解析する手法として免疫電子顕微鏡連続切片像の3次元再構築法を導入し、定量解析する方法を確立した。このデータをスイスの共同研究者が取得する超解像顕微鏡によるデータと比較し、相補的に解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vivoでのセプチン機能解析はマウスSPF施設が満床になっているため研究開始がやや遅れているが、in vitroでのセプチン機能解析おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro (MEF)実験系で興味深い所見が得られたので、これを活用して分子メカニズムの解析を加速する。in vivo(セプチン欠損マウス初期胚)解析系も早急に立ち上げる。
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Research Products
(9 results)