2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いた哺乳類セプチン系の生理機能の探索と解析
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23370084
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 専 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30273460)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / 微小管 / 脱アセチル化 / 神経突起 / 大脳皮質ニューロン / 神経回路形成 / 遺伝子改変マウス / RNA干渉 |
Research Abstract |
酵母からヒトまで保存された重合性GTPaseファミリーであるセプチン(ヒトではSEPT1-14)は細胞骨格系の構成要素としてアクトミオシンや微小管と協調して細胞形態制御に関与する一方、多様な膜蛋白質の局在や機能を規定する拡散障壁や足場を形成する。しかし、その多機性とサブユニット間の機能重複のために、特に哺乳類においては細胞機能、生理機能、病態との関連のいずれのレベルにおいても不明な点が多い。そこで、RNAiでセプチンを枯渇させた初代培養大脳皮質ニューロンや独自に作製したSept7 コンディショナル・ノックアウトマウス由来の初代培養大脳皮質ニューロンを細胞形態・蛋白質レベルで解析し、セプチンおよび関連分子ネットワークの解析を行った。さらに、個体レベルでも大脳皮質ニューロンのセプチン遺伝子のノックダウンおよびノックアウト実験を行った。これらの実験、さらに関連する生化学実験や薬理学的実験の結果を統合して神経突起伸展や分化においてセプチンによる微小管脱アセチル化の抑制が必須であることを示し、神経回路形成を支える分子メカニズムに関する新たな知見を明らかにした(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養神経細胞およびマウス個体の脳の双方でセプチンの分子機能に関する一貫した結果が得られ、神経突起形成の分子メカニズムの一端を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に沿ってin vivoおよびin vitroの検証実験を進める。具体的には高解像度ライブイメージングによる微小管ダイナミクスへの影響の定量解析や薬理学的実験などを通して神経突起形成の分子メカニズムにおけるセプチンの分子機能を詳細に検討する。他の論文の年度内の投稿を目指す。
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Research Products
(8 results)