2011 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミンファミリー分子の多機能性と統合的制御の機構
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23370089
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹居 孝二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40322226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80325092)
田邊 賢司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80423341)
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Keywords | ダイナミン / コルタクチン / アクチン / 細胞骨格 / フィロポディア |
Research Abstract |
ダイナミンによるアクチンダイナミクス制御について、in vitro実験系を用いて分子機構を、in vivo実験系を用いて生理機能を解析した。 in vitro実験系を用いた解析:ダイナミン1のアクチン重合に対する影響について、脳細胞質を用いたin vitroアクチン重合解析により調べた。ダイナミン阻害剤添加、抗ダイナミン1抗体添加、あるいは脳細胞質からのダイナミン1の枯渇などの処理によりアクチン重合が大幅に阻害された。次に、ダイナミン1がコルタクチンに結合することをプルダウンおよび免疫沈降法により示した。ダイナミン1とコルタクチンの存在によりアクチン線維束形成が増加することを生化学的手法により定量的に示すとともに、蛍光免疫染色によりアクチン線維束形成を形態的に確認した。電顕観察により、ダイナミン1/コルタクチン複合体がリング状を呈すること、複合体リングが数本のアクチン線維に巻き付いて束状にしていることを見いだした。これらのin vitroの結果から、ダイナミン1とコルタクチンによるアクチン線維束形成は、リング状複合体がアクチン線維を機械的に束ねることによるものと示唆された。 in vivo実験系を用いた解析:in vivo解析のために神経系培養細胞株(NG108細胞、SH-SY5Y細胞)を用いた。ダイナミン1とコルタクチンはNG108細胞の成長円錐のフィロポディアに沿って点状に共局在することを免疫蛍光染色法により、ダイナミン1とコルタクチンがともにアクチン線維に局在することを免疫電顕により明らかにした。SH-SY5Y細胞を用いて、抗ダイナミン1抗体のマイクロインジェクション、あるいはダイナミン阻害剤添加によりダイナミンの機能を阻害すると、成長円錐フィロポディアの急激な退縮が観られた。また、siRNAによりコルタクチンをノックダウンした場合も、成長円錐フィロポディアの形成が阻害された。以上より、ダイナミン1とコルタクチンによるアクチン線維束形成が成長円錐の形態維持に必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイナミン1とコルタクチン複合体によるアクチン線維束形成の機構についての解析を予定どおりすすめられた。得られた研究成果を学会報告するとともに研究論文にまとめ投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイナミン1/コルタクチン複合体によるアクチン線維束形成の調節機構を明らかにするために、ダイナミン1およびコルタクチンのリン酸化脱リン酸化と、複合体リングの形成やリング開閉の調節機構の相関を調べる。
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Research Products
(14 results)