2012 Fiscal Year Annual Research Report
北陸と九州から大量出土した縄文時代早・前期人骨の形態・DNA・食性分析
Project/Area Number |
23370102
|
Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (70333789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 優司 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (00110106)
米田 穣 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30280712)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 縄文時代 / 人骨 / 縄文時代早期 / 縄文時代前期 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実施計画としては、1)2008 年調査までの小竹貝塚出土人骨は発掘報告書にあわせて、分析結果を提出する、2)引き続き2010 年調査小竹貝塚出土人骨のクリーニングおよび修復作業を行う、3)長崎県岩下洞穴出土の縄文時代早期人骨についても、クリーニングおよび復元作業を行う、4)国立科学博物館および東京大学総合研究博物館に保管されている中後晩期の縄文時代人骨の形態観察および計測を行う、の4項目を挙げていた。全体的にはおおむね順調に上記目標を達成している。 具体的には、1)は現在原稿を完成し、投稿準備中である。2)は現在修復作業の80%が終了している状態で、平成25年度10月に提出予定の報告書作成にむけて基本的なデータを集計している段階である。3)に関しては修復作業が完了し、これも現在データ集計が行われている。4)に関しても現在統計処理を行っているところである。また、比較資料として江戸時代人および近代人のデータを集積し、その結果を報告した。比較データの一環として、長野県湯倉洞窟出土人骨の年代と食性分析もおこない、報告している。さらには、追加として、平成24年度に発掘された岡山県原貝塚出土人骨の2体も調査対象として取り扱うことになった。これらの人骨は年代測定をおこなったところ、縄文時代前期に相当するため、本研究の目的からいっても重要な追加資料となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった計画は順当に遂行している。ただし、頭骨のCT撮影に関しては、完形に近い頭骨がようやく2個体復元できた次第である。これは、資料の保存状況がかなり悪いことに起因するためである、今後もう少し数量を増やしてからCT撮影を実施したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
小竹貝塚出土人骨の整理および修復作業を進行させ、岩下洞穴出土人骨の報告書を作成する。
|