2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23380007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 和広 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (60215770)
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Keywords | 耐塩性 / 不良環境耐性 / オオムギ / 遺伝子単離 / 形質転換 / cDNA / DNAマーカー |
Research Abstract |
1.高度耐性オオムギの高速cDNA解析:塩ストレスに高度耐性を示すオオムギ系統に塩ストレス処理をしたサンプルおよび対照サンプルのcDNAライブラリーを作製し、Roche社製次世代型シーケンサーでショットガン解析を行った。 2.オオムギ完全長cDNAへの耐性オオムギcDNA配列のマッピング:公開されているオオムギ品種「はるな二条」の完全長配列に、上記の手法で取得した耐性オオムギ由来のcDNA配列をblast検索し、同一遺伝子由来のcDNA配列を整列して塩基配列の差異を確認し、一塩基多型(SNP)情報を取得した。 3.SNPアレイシステムの開発:イルミナ社製アレイシステムに利用可能なSNP情報を整理し、ビーズアレイ用のプロトコルに適したSNPを選抜する。選抜した情報をメーカーに送付してアレイシステムをカスタム作製した。 4.はるな二条/耐性系統の分離集団の栽培、DNA抽出および採種:はるな二条/幼植物耐塩性系統およびはるな二条/発芽耐塩性系統の組換自殖系統および染色体組換置換系統を両親と共に圃場で栽培しDNAを抽出後採種した。DNAサンプルで集団でのSNPの検出効率を推定した。 5.耐塩性の評価:発芽時の耐塩性ならびに幼苗の耐塩性についてそれぞれの組換自殖系統および染色体組換置換系統を各々2反復で検定した。 6.O-methyltransferaseをコードする遺伝子の形質転換体作成:耐性候補遺伝子をベクターに組み込んで、コンストラクトを作製した。形質転換の容易なオオムギ品種「Golden Promise」にアグロバクテリウム法による形質転換を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した実験は全て実施したが、(6)の形質転換についてはまだ実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の実験を予定通り進める。1)岡山大学のオオムギ遺伝資源系統の評価から選抜した発芽時および幼植物の耐塩性極強の系統に存在する複数の耐性遺伝子を、組換自殖系統群の形質評価および大量の転写産物情報を活用した高精度なマーカーシステムの導入によってマップする。2)耐性系統の染色体組換置換系統を活用して、各耐性遺伝子が単一に分離する集団を育成し、ポジショナルクローニング法によって、それぞれのゲノム配列を取得する。4)これら耐性遺伝子を個別に有する同質遺伝子系統を育成すると共に、選抜のために必要なDNAマーカーを開発する。5)Sugimoto et al.(2003)が同定した遺伝子が真に塩耐性に関わるか否かを形質転換体の作製と形質評価によって証明する。
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