2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23380007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 和広 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (60215770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 裕 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (70415454)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 育種学 / ゲノム |
Research Abstract |
cDNA配列のマッピング:カスタム作製したSNPアレイシステムを利用して、2組の組換自殖系統群および両親の遺伝子型を解析し、マップ作製ソフトウエアで連鎖地図を作製した。カスタムSNPアレイに予め搭載した連鎖群既知(各染色体の短腕および長腕末端部)のマーカーによって、染色体との対応をはかり、各々200マーカー程度の連鎖地図を作製した。 染色体置換系統群の開発:上記組換自殖系統によって作製した連鎖地図情報を参照して、染色体組換置換系統の遺伝子型判定を行った。それぞれの置換系統の置換部位は平均6.25%となり、16系統でゲノム置換が完了するが、それぞれのゲノム領域において、最少の系統で全ゲノムを包括するセットを選抜した。さらに、各ゲノム領域について2系統以上のゲノム置換系統を取得して、形質評価の際に遺伝子置換部位の表現型の効果に関する反復実験を可能とした。 O-methyltransferaseをコードする遺伝子の形質転換体作成:申請者ら(Sugimoto et al. 2003)がすでにRNAサブトラクション法によって単離した耐性候補遺伝子をベクターに組み込んで、コンストラクトを作製し、形質転換の容易なオオムギ品種「Golden Promise」にアグロバクテリウム法による形質転換を実施した。PCR法によるT0植物の遺伝子導入確認を行った結果、数個の形質転換体が得られ、現在T1個体を育成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐塩性の評価法に改良を加えたため、解析集団の評価に時間を要した。マップの密度は当初予定した700マーカーより少ない、200マーカー程度となったが、遺伝解析に支障はない。形質転換体も作成した。当初の予定よりやや遅れたため、遺伝子のポジショナルクローニングまでは実施できない。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の実験を進める。1)岡山大学のオオムギ遺伝資源系統の評価から選抜した発芽時および幼植物の耐塩性極強の系統に存在する複数の耐性遺伝子を、組換自殖系統群の形質評価および転写産物情報を活用したマーカーシステムの導入によってマップする。2)耐性系統の染色体組換置換系統を活用して、各耐性遺伝子が単一に分離する集団を育成する。4)これら耐性遺伝子を個別に有する同質遺伝子系統を育成すると共に、選抜のために必要なDNAマーカーを開発する。5)Sugimoto et al. (2003)が同定した遺伝子が真に塩耐性に関わるか否かを形質転換体の作製と形質評価を行う。
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Research Products
(3 results)