2013 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における文化的景観の多様性保全管理方策に関する研究
Project/Area Number |
23380016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下村 彰男 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20187488)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 文化的景観 / 環境政策 / 景観管理 / 支払意志額 |
Research Abstract |
1.ケーススタディ調査: 平成24年度に事前調査を進めてきた来訪者(観光客)に対するアンケート調査を、大分県由布市由布院地区において実施した。調査は主要な宿泊施設および鉄道駅、道の駅における聞き取り方式と、留置・郵送回収方式で実施した。主たる質問内容としては、①個人属性の他、②由布院への来訪状況、③来訪の動機と目的、④由布院に対する認識・理解状況、⑤文化的景観(資源)保全に対する支払意志額、⑥その徴収・使途のあり方、⑦食材や景観の地域性等に対する価値認識である。そしてこれらの質問に対する回答から、1)来訪者の文化的景観の保全管理に対する支払意志額とその徴収・活用方法、2)来訪者の地域の個性や資源性に対する認識や理解と支払意志額との関係、3)地域の食材や景観(食材や景観の地域性)に対する価値認識と支払意志額との関係に関して分析を行った。有効回答数365件から得られた支払い意思額の中央値は763円、またコンジョイント分析で最も効用値が高かったのは「地域風景の眺め」であり、次いで「地場産の食材」であった。 2.地域における文化的景観の個性抽出提示手法のとりまとめ: 過年度に検討整理を進めてきた文化的景観のパターン分類の枠組みについて検討を深め、地形と土地利用の2軸を用いたパターン分類を検討し、地域の特性(個性)抽出に際して、より汎用性の高い抽出・提示手法について整理を行った。地形に関しては、平野部から山地部までの平地と傾斜地の組合わせで3区分、また土地利用に関しては水田と畑地との組合わせで3区分で大別し、水系との関係そして森林の分布状況を加味して全体で12区分の分類結果を得た。これらの区分が各地の文化的景観の基本構造を形成していると考えられ、これに地域毎の気象や災害に対する対応や、歴史的に形成されてきた祭祀施設を基点とする集落構造が、各地域の景観的特性を形成していると整理される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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