2011 Fiscal Year Annual Research Report
トマト草型制御因子の解析-発現量的形質遺伝子座解析の受光態勢研究への利用-
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23380021
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
杉山 信男 東京農業大学, 農学部, 教授 (30012040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 洋子 東京農業大学, 農学部, 准教授 (70282704)
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Keywords | 窒素 / 出葉角度 / QTL / エピスタシス |
Research Abstract |
葉の着生角度(出葉角度)や葉長は植物の受光態勢に影響を及ぼす重要な要因であるが、出葉角度や葉長に及ぼす遺伝的要因や遺伝子型×環境交互作用についての研究はほとんど行われていない。そこで、窒素施用濃度を224ppmと22.4ppmに変えてトマトの栽培種と近縁野生種の交配に由来する組換え近交系(BC_1F_7)111系統を2011年初夏と秋に栽培し、最大葉の出葉角度や葉長に関わるQTLを明らかにしようとした。初夏には播種後30日目、秋には38日目に最大葉について出葉角度、葉長、葉先端から茎までの垂線長(葉の水平方向への広がりの尺度)を測定したところ、相加効果を示すQTLが11検出された。出葉角度に関わるQTLは第1、7染色体にそれぞれ2と1検出され、いずれも栽培種の対立遺伝子が角度を小さくする方向に働いた。垂線長に関わるQTLは第2染色体に2つ検出され、いずれも栽培種の対立遺伝子が垂線の長さを小さくする方向に働いた。このQTLについては初夏、秋ともに窒素との交互作用が認められ、高窒素条件下で垂線長が小さくなった。葉長に関して相加効果を示すQTLが第2、3、4、9染色体にそれぞれ2、2、1、1検出された。このうち、第2染色体TG608近傍のQTLは初夏と秋ともに検出され、栽培種の対立遺伝子が葉長を小さくする方向に働いた。秋の実験においてはQTL×窒素交互作用が認められ、高窒素条件で葉長を小さくする方向に作用した。初夏の実験で第2染色体に存在する垂線長と葉長に関わるQTLはいずれも第9染色体のQTLとエピスタシスを示し、第2染色体が栽培種、第9染色体が近縁野生種由来の対立遺伝子の組み合わせの時に値が小さくなった。以上、高窒素条件下で葉の水平方向の広がりを抑える上で第2染色体のTG608近傍と第9染色体のLEOH84近傍のQTLが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
草型に関わるQTLを検出し、その中で窒素と交互作用を示すQTLを検出できたという点では順調に進展している。しかし、マイクロアレイを実施して生理的機能を示す遺伝子群を明らかにするという点では、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
幼植物段階と生育後期とでは、草型、特に葉の大きさや出葉角度に差があることが明らかになったので、多窒素条件下でトマト栽培種と野生種の組換え近交系統群BC_1F_7を栽培し、播種後3カ月目に草型に関連する形質を測定し、QTL cartographerによる解析を行って、幼植物で得られたQTLとの比較を行う。また、マイクロアレイ解析については、栽培種と野生種を異なる窒素施肥条件下で栽培し、播種後1ヶ月後に葉からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行い、発現に大きな差がみられた遺伝子群について、GOマッピングを行って変化の見られる生理的機能を探索するとともに、それに関連した遺伝子の中にQTL解析によって特定された位置に近いものがあるか、否かを調べる。
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Research Products
(1 results)