2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質代謝改善ペプチドの特定・網羅解析・作用機構解明・高機能化
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23380075
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長岡 利 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50202221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 裕之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70209328)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ペプチド / ペプチドアレイ / コレステロール / 動脈硬化 / 大豆ペプチド / ラクトスタチン / ソイスタチン / 胆汁酸 |
Research Abstract |
[1]世界初の主要食糧資源(大豆・卵・肉)由来の脂質代謝改善ペプチドの特定においては、以下を明らかにした。(1)大豆β-コングリシニンα´サブユニットを精製し、加水分解ペプチドを調製した。調製したペプチドのHepG2細胞への添加により、CHOL代謝関連遺伝子mRNAレベルを評価した。大豆β-コングリシニンα´サブユニット由来のペプチドであるQEKがCYP7A1 mRNAレベルを上昇させることを発見した。(2)卵白ペプチド及び、牛心臓ペプチドの分画条件が設定できたので、精製し、in vitroでのCHOLミセル溶解性試験やCYP7A1 mRNA評価試験を実施し、活性画分を精製中である。 [2]ラクトスタチンの媒介する肝臓・腸の新規コレステロール代謝調節系解明においては、以下を明らかにした。腸ABCA1遺伝子プロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を連結したルシフェラーゼプラスミド種々のプロモーター変異プラスミドを含む)をCaco-2細胞に導入し、ラクトスタチンに応答する転写因子を特定した結果、LXRが関与する可能性があることが示唆された。 [3]ペプチドアレイによる新規脂質代謝改善ペプチドの網羅解析においては、以下を明らかにした。大豆のオイルボディーを形成する膜タンパク質であり、CHOL代謝改善作用を発揮する可能性のある大豆オレオシンのアミノ酸配列に的を絞り、ペプチドアレイにより胆汁酸結合ペプチドを網羅的に解析した。その結果、複数の胆汁酸結合ペプチドを発見し、特許申請した。発見した2種類の新規胆汁酸結合ペプチドは、VAWWMYと比較して、in vitroでのCHOLミセル溶解性を顕著に低下させるとともに、ラットにおいて、FGLTALSSはCHOL吸収抑制作用を発揮した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した下記のいずれの研究内容においても、研究計画の内容が研究実績の概要のように、おおむね順調に進展しているためである。 [1]世界初の主要食糧資源(大豆・卵・肉)由来の脂質代謝改善ペプチドの特定 [2]ラクトスタチンの媒介する肝臓・腸の新規コレステロール代謝調節系解明 [3]ペプチドアレイによる新規脂質代謝改善ペプチドの網羅解析
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね申請時の計画で遂行することで問題はない。申請後、研究をより高度なレベルで遂行するため、ラクトスタチン(IIAEK)受容体(仮説)を特定する研究内容では、GPCRの専門研究者(岐阜大学)との共同研究(科研費以外の資金)を立ち上げており、より新規性の高い方法や考え方でアプローチできる目途ができた点は強調すべき点と考える。また、別のGPCR研究者や分子生物学研究者との共同研究も計画中である。
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