2012 Fiscal Year Annual Research Report
渓畔林メタ群集の成立過程と環境ニッチに基づく統合中立理論の検証
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23380087
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
星崎 和彦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (30322655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 通也 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (70624899)
柴田 銃江 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, その他 (10343807)
星野 大介 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, その他 (60391182)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 林冠ギャップ / 土石流堆積 / ハビタット選好性 / ニッチ分割 / 更新 / 稚樹バンク |
Research Abstract |
多種多様な樹種を含む渓畔林の構造に河川周辺特有の撹乱体制が及ぼす影響を検出するために、稚樹の分布に撹乱タイプの違いが反映しているかどうか検証した。14カ所の林冠ギャップ(以下ギャップ)と3カ所の土石流堆積地(以下堆積地)、および近年撹乱が生じていない閉鎖林冠下(以下閉鎖林冠下)に多数の2x2m方形区(ギャップ141箇所、堆積地箇所、閉鎖林冠下203箇所)を設置し、各方形区に存在するすべての更新稚樹(樹高30cm以上、直径5cm未満)の本数を調べた。 ギャップでは25種429本、堆積地では27種1015本、全体で34種1444本の稚樹が出現した。種数-面積関係で比較したところ、高木種においては閉鎖林冠下よりも撹乱サイトで出現種が多い傾向がみられた。次に各樹種の本数密度をギャップと堆積地で比較したところ、ギャップに多い種(カツラ、アオダモなど3種)と堆積地に多い種(オヒョウ、サワグルミなど5種)が認められた。主要13種の光条件と本数密度の関係から、耐陰性の異なる4つのグループ(A~D)に分けられた。主な出現サイト(ギャップ/堆積地)と耐陰性の間に関連性は認められず、両者は独立に稚樹の分布を左右しているものと考えられた。 以上の結果より、渓畔林の林冠および地表撹乱は、それぞれ異なる樹種の分布に影響を及ぼすことがわかった。渓畔特有の撹乱タイプと明るさが稚樹期までに各種に異なる作用をもたらすことで、多様な構造の稚樹群落が成立したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で取得すべき野外調査およびデータの整理・解析までは、当初計画通り、極めて順調に推移している。 成果の公表については、リタートラップのデータを整理した成果と成木の動態に関する解析を援用した研究成果がそれぞれ国際誌に論文としてアクセプトされた。さらに更新に関する別の論文をもう一つ国際誌に投稿中で、その他投稿直前の原稿が2本、解析が完了し原稿執筆途上のものが2本ある。それらについて、引き続き公表に向けた努力を継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査とデータの一次解析については、計画通り進んでいるので、この調子で継続する。 データの2次解析として、種子散布のモデリングを行う。現在予備解析が終了しているので、結果を固める。 論文執筆作業は、投稿直前のものは今年度中に必ず投稿(うち1本アクセプトを目標)、執筆中の原稿も1~2本投稿したいところである。
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Research Products
(7 results)