2014 Fiscal Year Annual Research Report
渓畔林メタ群集の成立過程と環境ニッチに基づく統合中立理論の検証
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23380087
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
星崎 和彦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (30322655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 通也 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (70624899) [Withdrawn]
柴田 銃江 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (10343807)
星野 大介 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, その他 (60391182)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成長と生存のトレードオフ / 成長関数 / 生存関数 / 個体差 / 更新ニッチ / 長期センサスデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
森林動態の古典的モデル(ニッチ分割による多種共存とgrowth-survival trade-off)は、個体の中立性や個体差自体を重視する新しい仮説によって揺らいでいる。そこで、16年にわたる稚樹センサスの解析を通じて、種レベルの違いが種内の違いより十分大きなものであるかどうか検討した。 氾濫原と林冠ギャップに成立した稚樹バンクから本数の多い8種類について解析した。樹高成長は、ケヤキ、ミズキ、カツラ、サワグルミで比較的速かったが、これらは同時に大きな個体差も含んでいた。次に生存曲線をモデル化して種間比較したところ、生存率が高かった種(ケヤキ、オヒョウ、イタヤカエデ)と低かった種(カツラ、サワグルミ)の2群が認められた。 成長と生残に環境条件が及ぼす影響を調べた結果、オヒョウとサワグルミは明るくなるほど成長しやすかったが、その影響は非常に小さいか、あるいは認められなかった。この傾向は生存モデルでも同様で、すべての種で樹高の高い個体が死亡しやすい傾向が最も強く、また直前の成長が良いほど生き残りやすかった。外的要因としての光の効果はオヒョウ、サワグルミ、ケヤキで弱い影響が認めれたのみであった。また、種の成長と生存率の両モデルにおいて、全ての種間で違いが検出できたわけではなく、さらに個体差も種間で重複するほど大きかった。 以上のことから、この稚樹群落では種ごとの持続性の違いは明瞭でなく、成長や生存の持続性は外的な環境要因よりも種内の個体差による影響が大きいことが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)