2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380172
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本道 栄一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30271745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 直子 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (90377789)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 子宮内膜間質細胞 / 分化・脱分化 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本研究は、動物の生産性の向上を目標に、胚着床の制御機構、それを支える子宮内膜間質細胞の挙動を明らかにし、自然流産による動物の生産性の低下を解決しようとするものである。これまでの研究で、多くの子宮内膜間質細胞は不完全生殖周期中でもNanogおよびOct3/4タンパク質の発現を変動させ、分化・脱分化を繰り返していることが明らかとなった。そこで本年度はこの制御の分子機構を明らかにしようとした。 成熟したICR系統雌マウスに対して卵巣除去を施し、8週間後、P4投与群およびE2投与群の間でAffymetrix社のMouseGene2.0 STアレイを用いてトランスクリプトーム解析を行った。特にE2は強い生物作用を持っているので通常はトランスクリプトーム解析が困難であるが、今回は卵巣除去後8週間経過させたので、E2に対する分子応答が緩徐であり(E2の白血病阻止因子に対する発現応答を指標)、マウスの初期発生を制御する様々な遺伝子の発現変動を検出することが出来た。昨年度までの研究で明らかとなったNanogおよびOct3/4の変動の他、特にKlf4遺伝子発現がE2投与後6時間で認められた。Klf4はOct3/4に直接作用して脱分化を誘導する作用が報告されていること、Oct3/4はその発現量が1.5倍程度の変動でも細胞のリプログラミングを誘導すること、さらにKlf4は今回、E2投与群では約4倍の遺伝子変動が確認されたことから、一部の間質細胞は不完全生殖周期中で素早い分化・脱分化を繰り返していると推測される。また、LIFおよびKlf4がE2の制御下にあり、かつKlf4がp53に対して抑制効果を持っていること、さらにp53がLIF mRNAの転写活性を上昇させることから、Klf4はLIF発現を抑制している可能性があり、腫瘍形成にも関与するものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Book] 動物発生学2014
Author(s)
本道栄一(山本雅子、谷口和美監訳)
Total Pages
504(309-342)
Publisher
緑書房