2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380186
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 佳奈子 独立行政法人理化学研究所, 免疫治療モデル開発研究ユニット, ユニットリーダー (20391980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 拓也 山口大学, 農学部, 准教授 (90398826)
藤井 眞一郎 独立行政法人理化学研究所, 免疫細胞移植戦略研究ユニット, ユニットリーダー (10392094)
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Keywords | 自然免疫 / 獲得免疫 / 樹状細胞 / 癌ワクチン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、造血器腫瘍や固形腫瘍を対象としたイヌに対する新規癌ワクチン療法の開発を行い、免疫応答性の評価、担癌犬の臨床効果を評価することにある。現在のイヌにおける癌治療は手術、放射線治療および化学療法が主流であるが、このような治療法では、残存腫瘍細胞が多く、再発が多いのが現状である。我々の提唱する癌ワクチンは、従来の治療法とは異なり、自然免疫と獲得免疫を同時に誘導しうる免疫療法である。特にWilms'tumor1(WT1)抗原は、ヒト臨床で幅広い悪性腫瘍に発現していることが知られており、これを対象抗原として選択することにより幅広い癌疾患に対し適応となり、臨床的に再発率を低下させる相乗効果を期待できる。 本年度の研究実施計画は1)犬の腫瘍におけるWT1発現の検討/イヌのWT1検査の確立(リアルタイムPCR、病理検査、免疫染色など)(山口大 水野)、2)イヌにおけるNKT細胞の解析系の確立(理研 藤井)、3)細胞ワクチンに用いるベクター細胞のスクリーニング、細胞調整(理研 清水)を予定していた。1)に関しては、イヌ腫瘍細胞株よりイヌWT1のクローニングおよび、発現系および検出系の確立を行った。正常組織及び病理組織におけるWT1の発現の検討に関しては、当初使用した抗体の非特異的染色等の問題があり、現在別のクローンを用いて検証をやり直しているところであるが、イヌリンパ腫および肥満細胞腫では発現の増強を確認できた。2)に関しては予定通りNKT細胞の解析系を確立でき、3)に関しては2種類のイヌ細胞株を購入し、遺伝子導入効率、蛋白合成能、α-GalCer提示能等の評価を行い、ベクター細胞として使用する細胞株の選択に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病理組織におけるWT1抗原の発現を検討する上で、使用する抗体の問題が生じたものの、別の抗体を用いてその後の解析は順調に進んでいる。今年度の目標はほぼ達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は健常犬を用いたin vivoでの免疫応答の検討と同時に、対象疾患の絞り込みをよび症例の選択を予定している。また、再来年度に予定している実際の免疫療法を施行する上での、従来の化学療法との組み合わせ等のプロトコールについて臨床サイドと討議していきたいと考えている。
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Research Products
(22 results)