2013 Fiscal Year Annual Research Report
幼少期の養育環境が脳の可塑性に影響を及ぼす分子基盤の解明
Project/Area Number |
23390040
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西 真弓 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40295639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 謹子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80433332)
東 超 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90326322)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 母子分離 / ストレス / c-Fos / コルチコステロイド / 扁桃体延長領域 / 視床下部―下垂体―副腎系 / ペリニューロナルネット / エンドカンナビノイド |
Research Abstract |
幼少期の養育環境の劣悪化等のストレスが脳の機能・構造に重大かつ継続的な諸問題を引き起こし、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに罹患する確率が上昇すること等が報告されている。しかし、幼少期の一過性のストレスが生涯にわたって行動に影響を及ぼす分子基盤は未だ完全には解明されていない。本研究は、母子分離(maternal separation: MS)動物を用い、幼少期ストレスが発達期及び成長後の脳の可塑性に及ぼす影響を、遺伝子と環境との相互作用を切り口に、分子から行動まで生物階層性の段階を追って解析することを目的とする。平成25年度は、c-Fos発現解析の結果を踏まえて分界状床核と側坐核に焦点を置き、DNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、MSと対照群とで2倍以上の差が出る、いくつかの興味深い遺伝子を見いだした。側坐核において減少した遺伝子:dopamine receptor (DA)1, 2、エンドカンナビノイドの2AG合成酵素のdiacylglycerol lipase (DAGL)、retinoic acid receptorβ、preproenkephalin、prodynorphin、CART (cocaine and amphetamine regulated transcript)など。増加した遺伝子:corticotropin releasing factor (CRH)。分界状床核において減少した遺伝子:neurokinin B。増加した遺伝子:DA1。これらの結果を踏まえ、まずエンドカンナビノイド系に焦点を置き、DAGLの発現について免疫組織化学により、脳を網羅的に検索した結果、予想しなかったことであるが、小脳皮質領域でMS群においてDAGLの免疫活性が顕著に減少しているのを見いだした。小脳に制御される行動についても解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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