2011 Fiscal Year Annual Research Report
細菌が分泌するカスパーゼ-1活性化抑制エフェクターの機能
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23390106
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 敏彦 琉球大学, 医学研究科, 教授 (10292848)
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Keywords | カスパーゼ-1 / インフラマゾーム / マクロファージ / 炎症 / 腸炎ビブリオ |
Research Abstract |
本研究では、T3SSを介してカスパーゼー1活性化を抑制するエフェクター分子を同定・解析することによって、腸炎ビブリオによる新しい免疫回避の分子機構を解明することを目的とする。 T3SS-1遺伝子クラスター内約9kbのエフェクターコード領域に、目的とする遺伝子が約10個あると推定されたことから、ゲノム情報をもとにまず4つの領域に分け、それぞれを欠損する変異株を作製した。その後、さらに当該領域にコードされるエフェクター遺伝子の変異株を作製して解析した。 作製した各種遺伝子欠損株をマウス骨髄由来マクロファージに感染させ、カスパーゼ-1活性化およびIL-1β、IL-18のプロセッシングをウェスタンブロットにて、またサイトカインの細胞外分泌をELISA法にて解析した。マクロファージとして、野生型細胞、NLRP3欠損細胞(NLRC4経路)、NLRC4欠損細胞(NLRP3経路)を用いて感染させ、どの経路でカスパーゼ-1活性化の亢進がみられるか解析した。 その結果、欠損によってNLRC4経路を亢進する領域が見つかった。さらに当該領域にコードされているエフェクター遺伝子の欠損株を作製して、エフェクターがNLRC4インフラマゾームを主に阻害していることを確認した。阻害活性が認められたエフェクター遺伝子は2つあり、それぞれの欠損株ではカスパーゼ-1活性が弱く亢進し、二重欠損株で顕著に亢進することが示された。これらの結果は、2つのエフェクターが相加的にNLRC4インフラマゾームを抑制していることを示唆していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カスパーゼ-1活性化の抑制に関わるエフェクター遺伝子の同定が予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、エフェクターの機能を解析し、カスパーゼ-1活性化抑制の分子機構を探る。
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Research Products
(8 results)