2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390121
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90359597)
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Keywords | 免疫記憶 / Bリンパ球 / 胚中心 / サイトカイン / 抗体産生細胞 |
Research Abstract |
ワクチン療法の原動力である高親和性IgG産生メモリーB細胞や長期生存プラズマ細胞(Long-lived Plasma cell:LL-Plasma細胞)は、脾臓やリンパ節内の胚中心で分化する。その分化に濾胞ヘルパーT細胞から放出されるIL-21が重要な機能をしていることが明らかとなっている。さらに転写抑制因子であるBCL6が、胚中心B細胞ばかりでなくTfh細胞の分化にも必須であることが明らかになった。そこで本年度は、IL-21やBCL6の機能改変マウスを用いて、高親和性IgG産生メモリーB細胞やLL-Plasma細胞の分化誘導におけるIL-21とBCL6の機能を解析した。その結果、 1.IL-21レセプター欠損マウスを抗原NP-CGで免疫して、血中IgMやIgG1抗NP抗体価を親和性とともに測定したところ、胚中心形成が著しく低下し、高親和性抗体の産生がほとんど見られなかった。さらに免疫して4-5週後に、IgG1抗NP抗体産生LL-Plasma細胞をELISPOT法により解析したところ、ほとんど検出できなかった。この結果から、高親和性抗体を産生するLL-Plasma細胞の分化にはIL-21が必須であることを明らかにした。 2.正常マウス脾臓由来の成熟B細胞を抗IgM抗体と抗CD40抗体とIL-4で刺激する。その後に、IL-21で再刺激してPlasma細胞の分化をFACSで解析したところ、新たにCD38陽性のPlasma細胞が検出された。この細胞をCFSEでラベルした後、同系正常マウスに移植して40日後の骨髄や脾臓におけるIgG1産生LL-Plasma細胞の分化をFACSにより解析した。その結果、LL-Plasma細胞が検出できたことから、IL-21がLL-Plasma細胞の分化に必須であることや、In vitro系を用いてLL-Plasma細胞を分化させる系を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に計画した研究内容は、ほぼ計画のとおり遂行できた。その研究結果の多くは、予想されたものであったが、培養系を用いてIL-21の追加刺激によりLL-Plasma細胞を分化させる系を確立できたことにより、次年度には新たな研究の展開が可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
LL-Plasma細胞を分化させる培養系が確立できたことから、LL-Plasma細胞の表面抗原系の解析や、IL-21刺激によりLL-Plasma細胞で発現誘導される遺伝子などが明らかにできると思われる。それらの研究成果から、ヒトの系でもLL-Plasma細胞を培養系で分化させることが可能となれば、感染症の治療への応用研究へと発展させることが出来る。 また、高親和性メモリーB細胞の分化に関しては、BCL6欠損マウスを用いて胚中心における体細胞突然変異の導入に関して興味深い実験結果が出ており、次年度でのこの方面での研究の新展開が期待できる。
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Research Products
(5 results)