2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390121
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90359597)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 免疫記憶 / Bリンパ球 / 胚中心 / サイトカイン / 抗体産生細胞 |
Research Abstract |
高親和性IgG産生メモリーB細胞や長期生存プラズマ細胞(Long-lived Plasma cell: LL-Plasma細胞)は、脾臓やリンパ節内の胚中心で分化する。その分化に濾胞ヘルパーT細胞から放出されるIL-21や転写抑制因子であるBCL6が必須であることが明らかになった。そこで本年度は、IL-21やBCL6の機能改変マウスを用いて、高親和性IgG産生メモリーB細胞やLL-Plasma細胞の分化誘導におけるIL-21とBCL6の機能を解析した。その結果、1.正常マウス脾臓由来の成熟B細胞を抗IgM抗体と抗CD40抗体とIL-4で刺激した後に、3日目にIL-21で再刺激することにより6日目の培養細胞中のPlasma細胞数が最大となった。この細胞をCFSEでラベルした後、同系正常マウスに移植して40日後の骨髄や脾臓におけるIgG1産生Plasma細胞をFACSにより解析したところ Long-lived Plasma細胞が分化することを明らかにした。同様の実験をIL-21R-KOマウス由来の成熟B細胞を用いて行ったところ、Long-lived Plasma細胞の分化が見られなかったことから、培養系を用いてLong-lived Plasma細胞を効率よく分化させる系を確立した。2)IL-21R-KOマウスを抗原NP-CGとAlumで免疫後7日目と14日目における脾臓由来のIgG1陽性の胚中心B細胞をIgG1, Fas, GL7に対する抗体と反応させてFACSで分取する。これらの胚中心B細胞の抗体遺伝子V領域(VH186.2)の遺伝子解析を行ったところSHMの頻度が正常マウスからの胚中心B細胞の頻度よりも著しく低いことを明らかにした。このことから、IL-21が高親和性IgG1抗体産生メモリーB細胞やLL-Plasma細胞の分化に必須であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画した研究内容は、ほぼ計画のとおり遂行できた。その研究結果の多くは、予想されたものであったが、培養系を用いてIL-21の追加刺激により効率良くLL-Plasma細胞を分化させる系を確立できた。しかし、通常のPlasma細胞とLong-lived Plasma細胞との表面抗原系の違いなどは見いだせなかった。現在両者でCD38の発現に違いがみられているので、CD38陰性のPlasma細胞の中にLong-lived Plasma細胞がいないかどうかを解析中である。 また、親和性成熟のためにはIL-21刺激が必須であることを明らかにできたが、末梢性の自己免疫寛容誘導におけるBCL6の機能を明らかにすることは出来なかった。現在、C57BL/6J-lpr/lprやBXSB/MpJなどのSLE様疾患モデルマウスをIL-21R-KOやLckd-BCL6-Tgマウスを交配して経時的に抗核抗体の産生量をELISA法で解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
LL-Plasma細胞を分化させる培養系が確立できたことから、LL-Plasma細胞の表面抗原系の解析や、IL-21刺激によりLL-Plasma細胞で発現誘導される遺伝子などが明らかにできると思われる。さらにIn vitro系を用いたIgE産生LL-Plasma細胞の分化誘導機序の解析を行う。そして、(Blimp1/GFP)マウスの脾臓由来の成熟B細胞から誘導されるIgE産生Plasma細胞を同系正常マウスに移植して40日後の骨髄や脾臓におけるIgE産生LL-Plasma細胞のNicheを組織学的に明らかにする。 また、Th2細胞がIL-4を産生できないIE-KOマウスは、IgE抗体が産生できないことを見出している。そこで、DO11-10-Tg、(IE-KO x DO11-10-Tg)や(BCL6-KO x DO11-10-Tg)マウス由来のCD4T細胞からIn vitro系でOVA特異的Th2細胞を誘導する。このTh2細胞を同系のIE-KOマウスに移入した後、抗原NP-OVAで免疫してIgE抗NP抗体の産生をELISA法で解析する。この時にTh2細胞の存在する場を抗TCR(KJ1-26)抗体で組織学的に同定することにより、IgE抗NP抗体産生細胞が分化する場を組織学的に明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)