2013 Fiscal Year Annual Research Report
長寿社会における終末期医療のあり方 ー 東洋型意思決定法の実証と実践および発信
Project/Area Number |
23390127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (30126023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
会田 薫子 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (40507810)
清水 哲郎 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70117711)
樋口 範雄 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30009857)
鈴木 裕 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (20241060)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エンド・オブ・ライフ・ケア / 意思決定支援 / 家族支援 / 共同決定 / 臨床倫理 / 高齢者 / 透析医療 / 延命医療 |
Research Abstract |
本研究は、長寿社会におけるエンド・オブ・ライフ・ケアの意思決定に際する本人意思の尊重および家族支援に関して、日本の文化的・社会的特徴を踏まえたあり方を模索し、具体的な方途を提示することを目的として行った。 まず、平成23~24年度に2件の量的調査を実施した。1件目は家族介護者を対象とする調査。ある県の行政の協力を得て1775名を対象として郵送無記名自記式質問紙調査を実施した。回収数は1326票(回収率:75%)。その結果、高齢者本人と看取りについてすでに話し合いを持ったり、本人の意向を確認しているものは2割弱で、多くが高齢者本人の看取りについての希望を確認することができないでいる現状が明らかになった。また、家族介護者が不安を抱えているのは、要介護者の容体悪化等の緊急時の対応であり、この不安から、看取り時は病院に委ねたいと家族が思っていることが示唆された。 2件目は、療養病床の入院患者における経管栄養法の施行実態に関して、療養病床の勤務医968名を対象として実施した郵送無記名自記式質問紙調査。回収数は262票(回収率:27%)。アルツハイマー末期で摂食困難な患者に対して、対象医師の半数近くは、「人工的水分・栄養補給法(AHN: artificial hydration and nutrition)を差し控えて枯れるように死ぬことは自然なことである」と考えていることが示された。当研究班の先行調査よりも自然に委ねることへの許容度が上昇していることが示唆された。 平成25年度は、高齢腎不全患者への透析医療の導入の可否を検討する際に、医療チーム側が患者側へ情報提供するとともに、患者・家族側から人生の物語りに関する情報を収集し、共同で意思決定に至ることを推進するため、高齢者に特化した意思決定支援ツール「高齢者ケアと人工透析を考える:本人・家族のための意思決定プロセスノート」を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)