2011 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン療法の副作用で併発するうつ病の発症機構の解明とコンパニオン診断
Project/Area Number |
23390149
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 邦明 京都大学, 医学研究科, 教授 (80262765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康子 京都大学, 医学研究科, 助教 (00331869)
村上 由希 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50580106)
竹田 真由 東北福祉大学, 健康科学部, 助手 (00423054)
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Keywords | 酵素誘導 / 病態検査学 / コンパニオン診断 / うつ病 / サイトカイン |
Research Abstract |
脳神経関連疾患とindoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)との関係に着目し、脳神経系におけるIDOの役割が主たる目的で、特にサイトカイン治療で発症するうつ病についてIDO関連分子をバイオマーカーにする事により発症予測と、発症を未然に防止できるシステム構築を目指している。発症メカニズムを解明するため、インターフェロンをマウスに持続的に腹腔内投与した。その結果、脳内におけるIDOが持続的に活性化し、さらにその関連代謝産物が有意に高値を示すことが明らかとなった。それらのマウスを用いて、うつ病様行動の解析、すなわち行動薬理学的に広く使われているForced swim test(FST)などを行った。その結果、インターフェロン持続投与群では、コントロール群に比べimmobility timeが増加した。すなわち、インターフェロン投与により発症するうつ病メカニズムを解明するための疾患マウスモデルとして有用である事が明らかとなった。さらに、IDOをターゲットとしたコンパニオン診断システムを構築するために、ヒト血清中あるいは細胞培養上清中のTRPとその代謝産物(KYN、3HAA、KA、AA、3HK)6種類についてHPLCにより同時測定する方法が確立され、TRP代謝産物一斉解析により、微量検体から代謝産物の測定が可能となった。さらに、IDO発現細胞は新たに作製したIDOモノクロナール抗体を用いてFlow Cytometerで検出する系を確立した。すなわち、培養細胞をインターフェロンで刺激した細胞は、コントロールと比較して著明なIDO誘導が見られ、その動態をFlow Cytometerにより追跡可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した実験計画は、分担研究者および連携研究者との打合せ通りおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、脳神経組織でのIDO1および2の免疫染色の他、インターフェロン治療製剤により発症したうつ病患者サンプルを用いた病態解析を実施する。
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