2012 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患エピジェネティクスにおけるウイルス感染の役割解明とその予防法の開発
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23390160
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
菅沼 成文 高知大学, 医歯学系, 教授 (50313747)
福冨 友馬 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (30463110)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アレルギー / エピジェネティクス / RSウイルス / microRNA / 感作 / アレルゲン / 分子疫学 |
Research Abstract |
アレルギー性疾患の原因については、胎児期あるいは小児期の前半に最も頻繁に感染するRespiratory syncytialウイルス(RSV)やインフルエンザウイルス(IFV)の関与がよく知られるようになったが、その病態の背景である感受性遺伝子との相互作用はよく知られていない。本年度では動物実験および分子疫学を通して、単核球のInterleukin 4 receptor A (IL4RA)遺伝子のメチル化との関係に着目することによってウイルス感染におけるアレルギー疾患エピジェネティクスを解明することを試みた。また児を出産した妊婦において環境中の化学物質の曝露状況や室内塵やダニ、花粉、昆虫、動物などのアレルゲンに対する感作の状態および臍帯のIL4RAにおけるCpG部位のメチル化と喘息との関係を調べたところ、喘息およびハウスダスト感作とIL4RAにおけるCpG部位のメチル化の関係が証明でき、喘息発症におけるエピジェネティクスが証明できた。高IgE産生系マウスとして知られているBALB/c マウス6匹を1群として、4群、計24匹を用意した。すべてのマウスにおいてPneumonia virus of mouse (PVM)モデルマウスを用い、PVM前投与と後投与の有無で4群とし、PVMの投与が無い群では、不活化PVMを投与した。採血によって血清中抗原特異的IgE及びIgG1値およびPVM抗体を測定し、感染および感作を確認した。最終抗原吸入24 時間後、気道抵抗性を測定後、気管支肺胞洗浄液(BALF)中および脾臓中の単核球のIL4RAにおけるCpG部位のメチル化とPVM感染の関係が認められたことから、PVM感染によるアレルギー疾患エピジェネティクスを証明した。したがってIL4RAにおけるCpG部位のメチル化は喘息の発症、特にウイルス感染による喘息発症の原因であると推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、動物実験と疫学研究から成り、両方において喘息症との関係で重要なIL4RA遺伝子のエピジェネティクスを一方は感染との関係で、一方は感作との関係で証明することができた。このため研究の目的である予防法の提示のための科学的証拠をおおむね順調に得ることができてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
分子疫学を通して、IL4RA以外の遺伝子のメチル化と、ウイルス感染およびアレルゲン感作と発症との関係を明らかにすることによって、さらにウイルス感染による喘息発症のエピジェネティクスを証明する。またmiRNAと遺伝子およびエピジェネティクスの相互作用を解明し、新しい免疫・感染・遺伝子バイオマーカーの同定を行うことでRSVならびにIFVによるアレルギー発症に対する新しい予防法を確立する。
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Research Products
(19 results)