2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素結合タンパク質のキャラクタリーゼーションと生体影響評価への応用
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23390167
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
平野 靖史郎 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 室長 (20150162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弥生 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (00391102)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ヒ素 / タンパク質 / 電気泳動 / promyelocytic leukemia / SUMO化 / 蛍光染色 |
Research Abstract |
環境汚染物質であり、また前骨髄性白血病の治療薬としても実際用いられているヒ素化合物と、生体分子との反応性を直接調べることにより、環境毒性学と臨床応用の両面に資することを目的とし、ヒ素反応性タンパク質を包括的に調べた。その中でも、急性前骨髄性白血病の原因タンパク質の一つであるpromyelocytic leukemiaに注目して、ヒ素の白血病細胞に対する反応機序を考察した。また、そのため、ヒ素結合アフィニティークトマトグラフィーの確立に努めた。 細胞の可溶性画分のタンパク質のうち、ヒ素に結合能の高いタンパク質をカラムに結合させたのち、40mMのグルタチオン溶液で溶出させた。ヒ素の蛋白への結合は、ヒ素のシステイン残基への求電子反応により起こるものと推定されるが、システインを含むタンパク質の中でも、RINGフィンガー構造を持ち亜ヒ酸の処置により高い治癒率を示す急性前骨髄性白血病の原因物質とも考えられているPMLにも注目して、本タンパク質を過剰発現させた細胞を作製し、ヒ素を曝露した細胞におけるPMLタンパク質へのヒ素の結合を調べた。各フラクションは溶出液を限外濾過膜で濃縮した後、電気泳動を行い、ウエスタンブロット後anti-PML抗体を用いて、ヒ素結合カラムからのPML溶出プロファイルを確認したものである。 PMLはヒ素結合カラムに結合した後、過剰のグルタチオンにより溶出されていたことが明らかとなった。一方、PMLタンパク質を多く発現した細胞を0.1-30 μMの亜ヒ酸に曝露し、PMLの細胞内存在形態を蛍光免疫染色法を用いて調べるとともに、ウェスタンブロット法を用いて、PML蛋白の修飾について調べた。PMLはヒ素と結合した後に、不溶性が高まり、またSUMO蛋白により修飾を受けていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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