2011 Fiscal Year Annual Research Report
無作為化比較試験による胸部CT検診の感度・特異度算出と死亡率減少効果の推定
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23390179
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
佐川 元保 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70292274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 勉 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90215674)
佐藤 雅美 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30250830)
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Keywords | 肺がん検診 / 有効性評価 / 低線量CT / 早期肺癌 / 無作為化比較試験 |
Research Abstract |
肺癌は本邦のがん死亡の第1位で今後ともその傾向は続くと考えられる。低線量胸部CTによる肺がん検診は肺がん死亡減少の切札として有望視されているが、過剰診断などの不利益のため真に有効かどうかは不明であるにもかかわらず、一部地域では期待が先行して実際に行政の施策として採り上げられはじめている。CTによる肺がん検診が真に有用かどうかを判断するため、本邦の実情に沿ったCT検診の無作為化比較試験を立案・改訂し、その実施のためのさまざまなツールを開発・整備し、多くの地区で実施開始に向けた自治体・検診機関等との協議を持ちつつ、無作為化比較試験を実際に実施した。 今年度は、昨年度に前研究班(厚労省がん研究開発費垣添班佐川小班)にて実施した石川県羽咋市と岡山県里庄町での研究を継続するとともに、新たに新潟県新潟市西蒲区と鹿児島県指宿市で研究を開始した。新潟市西蒲区では、50-64歳男女のうち前年度に現行肺がん検診を受診した者310名に対して、この研究への参加者を募る文書を郵送した。その結果、説明会参加希望者が69名(22%)であった。3回の説明会を開催し、参加希望者の全員が説明会に参加し、研究にも参加、34名がCT検診を、35名がX線検診を受検した。鹿児島県指宿市では、同様の対象者330名に対して文書を郵送し、説明会参加希望者が111名(34%)、2回の説明会を開催し107名が研究に参加、55名がCT検診を、52名がX線検診を受検した。検診結果は解析中である。 昨年度行った石川県羽咋市および岡山県里庄町の結果も含めた参加状況は、1547名に勧誘文書を郵送し、440名(28%)が説明会参加を希望し、実際に説明会に参加したものが412名、研究に参加したものが396名(全体の26%、説明会参加者の96%)であり、きわめて良好であることが判明した。次年度以降も実施地域を拡大していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無作為化比較試験実施予定地区として、宮城県をはじめとする東北地方も予定していたが、震災の影響で東北地方での実施はできなかった。しかし、次年度はすでに宮城県の2地区での実施が決定しており、今後ペースを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、前述した宮城県の2地区での研究開始を予定しているほかに、石川県3地区で新たに研究開始を行うことが確定している。さらに、鹿児島県、岡山県、新潟県でも1地区以上で新たに開始を予定しており、神奈川県でも検討中である。地域のみでなく、診療所単位での参加の可能性も探っている。
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Research Products
(6 results)