2012 Fiscal Year Annual Research Report
味覚受容体遺伝子多型とインクレチン分泌及び食行動代謝障害との関連解析
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23390247
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高柳 涼一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30154917)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 味覚受容体 / 遺伝子多型 / 生活習慣 / インクレチン |
Research Abstract |
味覚や食行動を規定する遺伝子と生活習慣病の関連性を明らかにするため、味覚受容体をコードする遺伝子(TAS1R, TAS2R)の 遺伝子多型について地域一般住民約13,000人(50歳~74歳)を対象に種々の生活習慣要因、疾患との関連について研究を継続した。 本年度はアミノ酸変異を伴い、うま味の知覚閾値との関連が報告されているTAS1R3遺伝子の一塩基多型R757C(rs307377)について検討した。男性(5664名)ではCC型が4310名(76.1%)、CT型が1280名(22.6%)、TT型が74名(1.3%)、女性(6829名)ではCC型が5261名(77.0%)、CT型が1465名(21.5%)、TT型が103名(1.5%)であり、男女ともにその分布は従来の報告とほぼ同様であった。R757C多型と肥満度(BMI)、ウエスト周囲径ならびに糖化ヘモグロビン(HbA1c)との関連について検討を行ったが、遺伝子多型とこれらの生活習慣関連因子の間に統計学的に有意な関連は見られなかった。 地域一般住民のうち心血管病等の既往者を除いた約10,000名について、食事パターンと遺伝子多型との関連についても検討した。食物摂取頻度調査表を用いた食事パターン解析により野菜類、果物、魚貝類などを多く摂取するいわゆる健康的食事パターンが同定され、この食事パターンは血清の高感度CRP値と負に関連していた。しかしながら検討した味覚受容体の遺伝子多型(rs34160967、rs307377)と食事パターンの間には有意な関連は認められなかった。 味覚受容体遺伝子(TAS1R, TAS2R)、各々の欠損マウスを作成し、両者のダブルノックアウトマウスを掛け合わせで作成した。様々な栄養素に対するGLP-1及びGIP分泌反応の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アミノ酸変異を伴うTAS1R1遺伝子の代表的多型について解析をおおむね完了した。また食事パターン解析と味覚受容体遺伝子多型との関連についても検討を行った。味覚受容体遺伝子(TAS1R, TAS2R)の欠損マウスにて様々な栄養素に対するインクレチン分泌反応の検討を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
TAS1R1、TAS1R3遺伝子に加えてTAS1R2やTAS2Rの遺伝子多型についてもgenotypingを行い、食事パターンに加えて血中GLP-1及びGIPなどのバイオマーカーや他の生活習慣要因との関連についてさらなる解析を進める。
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