2013 Fiscal Year Annual Research Report
白血病幹細胞特異的抗原TIM―3に対する標的治療の開発
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23390254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 敏浩 九州大学, 大学病院, 講師 (70343324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 浩一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80380385)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 白血病 / 幹細胞 / TIM-3 / 標的治療 |
Research Abstract |
申請者らは、急性骨髄性白血病(AML)において、白血病幹細胞に特異的に高発現する分子TIM-3を同定しておりTIM-3 signalingのAMLにおける機能解析を主眼として本年度は解析を進めた。TIM-3のリガンドとして、これまでgalectin-9, HMGB-1,Phosphatidylserine等が知られている。平成25年度は、この中でTIM-3のリガンドとしてこれまでに最も解析が進んでいるgalectin-9に注目して研究を進めた。galectin-9の生理的濃度が、これまで報告に乏しく不明であったために、最初に健常者および白血病患者血清中のgalectin-9濃度をELISA法にて測定した。ヒトgalectin-9の血中濃度は、リンパ系腫瘍においては健常人と同程度であるのに対して、AMLにおいて血中濃度が特異的に上昇していることを我々は見出した。そこで、我々はAML細胞自身がgalectin-9を産生、分泌するのではないかという仮説をたて、検証を行った。FACSによる細胞内染色でAML細胞がgalectin-9タンパクを細胞内に高レベルで発現していることを見出した。次に、AML細胞がin vivoでgalectin-9を分泌するか否かを検討した。患者由来AML細胞を免疫不全マウスに移植し、AMLをin vivoで再構築し、マウス血清中のヒトgalectin-9濃度を測定した。AMLを再構築したマウス血清からはAML患者同様に高濃度のヒトgalectin-9が検出された。即ち、AML細胞がTIM-3のリガンドであるgalectin-9をautocrine様式で分泌するという新しい知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、貴重な臨床サンプルを用いて、腫瘍性幹細胞におけるTIM-3の機能解析を進めた。その結果、白血病細胞自身がautocrine様式によりリガンドであるgalectin-9を分泌し、自身の発現するTIM-3に作用させているという癌幹細胞において非常にユニークな機構を見出した。これらの知見に加えて、ヒトgalectin-9の血中濃度をELISA法により測定する系が確立したことにより、これまで不明であったgalectin-9の生理的な濃度を明らかにすることができた。これは、今後の研究を進める上で、生理的条件での刺激が可能になることを意味しており、非常に大きな前進であると考える。以上の経過より、おおむね予定通りに本研究課題が遂行できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針として、白血病幹細胞において、TIM-3/galectin-9相互作用がどのような生物学的機能を有しているかを検討する。具体的にはマイクロアレイ、RNAシーケンスを用いて、galectin-9刺激後の白血病幹細胞分画の網羅的遺伝子発現プロファイルを評価する。これらの解析により、TIM-3/galectin-9シグナルがどのような細胞内シグナルを用いているのかについて検討し、白血病幹細胞における生物学的な機能を明らかにする。さらに同様の実験を他のTIM-3リガンドであるHMGB-1を用いて行う。これらの分子としてのTIM-3機能解析に加えて、慢性骨髄増殖性疾患の病期進行に伴って出現するTIM-3陽性異常幹細胞と同一症例に残存するTIM-3陰性造血幹細胞をFACSにより純化し、どのような遺伝子変異が加わる事で白血病への進展が生じるかを次世代シーケンサーによる全エキソン解析を行い明らかにする。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Quantitation of hematogones at the time of engraftment is a useful prognostic indicator in allogeneic hematopoietic stem cell transplantation.2013
Author(s)
Shima T, Miyamoto T, Kikushige Y, Mori Y, Kamezaki K, Takase K, Henzan H, Numata A, Ito Y, Takenaka K, Iwasaki H, Kamimura T, Eto T, Nagafuji K, Teshima T, Kato K, Akashi K.
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Journal Title
Blood
Volume: 121
Pages: 840-848
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Polymorphic Sirpa is the genetic determinant for NOD-based mouse lines to achieve efficient human cell engraftment.2013
Author(s)
Yamauchi T, Takenaka K, Urata S, Shima T, Kikushige Y, Tokuyama T, Iwamoto C, Nishihara M, Iwasaki H, Miyamoto T, Honma N, Nakao M, Matozaki T, Akashi K.
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Journal Title
Blood
Volume: 121
Pages: 1316-1325
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Combination of high-dose melphalan and bortezomib as conditioning regimen for autologous peripheral blood stem cell transplantation in multiple myeloma.2013
Author(s)
Miyamoto T, Yoshimoto G, Kamimura T, Muta T, Takashima S, Ito Y, Shiratsuchi M, Choi I, Kato K, Takenaka K, Iwasaki H, Takamatsu Y, Teshima T, Akashi K.
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 98
Pages: 337-345
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clinical outcomes of allogeneic stem cell transplantation for relapsed or refractory follicular lymphoma: a retrospective analysis by the Fukuoka Blood and Marrow Transplantation Group.2013
Author(s)
107 Ito Y, Miyamoto T, Kamimura T, Takase K, Henzan H, Sugio Y, Kato K, Ohno Y, Eto T, Teshima T, Akashi K
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 98
Pages: 463-471
DOI
Peer Reviewed
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