2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規標的分子同定に基づく自己免疫・喘息疾患に対する抗体医療の開発
Project/Area Number |
23390260
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (50009700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60338316)
小島 裕子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60231312)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / アレルギー・喘息 / TIM-4 / 抗体療法 |
Research Abstract |
TIM-4はT cell immunoglobulin and mucin domain (TIM)ファミリーに属し、主にマクロファージに発現し、死細胞の細胞膜表面に露出するPhosphatidylserineと結合して、死細胞除去に働くことが報告されている。しかしながら免疫応答や各種疾患における機能や役割は不明であった。我々は、マウスTIM-4遺伝子をクローニングしてTIM-4-Immunoglobulin(Ig)キメラ蛋白質や抗マウスTIM-4抗体を作製し、以下の研究結果を明らかにした。①TIM-4-Igはマスト細胞に結合し炎症性サイトカイン産生を誘導する。②この効果はTIM-4-Igとマスト細胞に発現するleukocyte mono immunoglobulin like receptor 5 (LMIR5)との結合によりもたらされる。③マスト細胞依存性喘息マウスや関節炎マウスに抗TIM-4抗体を投与した結果、抗炎症作用による治癒効果を示した。⑤マクロファージ上のTIM-4はMatrix metalloproteinaseの作用により切断され、可溶型TIM-4 (sTIM-4)として存在することを見出した。sTIM-4はTIM-4-Igと同様にマスト細胞に対して、サイトカイン産生誘導に働いた。⑥sTIM-4測定方法を作製して喘息マウスや関節炎マウスの血清中sTIM-4を測定した結果、正常マウスと比較して有意に上昇することが明らかとなった。従って、マウスではsTIM-4がマスト細胞の機能調節に働き、免疫疾患の発症や病態形成に関わることを示している。従って、ヒトにおいてもsTIM-4が存在する可能性はあり、免疫疾患治療の新たなターゲット分子や、補助診断あるいは治療効果や予後予測に際して有用なバイオマーカーになる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
sTIM-4は多種の炎症性サイトカイン産生の誘導に働く。現在、TNF-など個々の炎症性サイトカインを標的にした抗体医薬品は実用されているが、多種の炎症性サイトカイン産生を総合的に根本から抑制することが可能になれば、個々の抗サイトカイン抗体療法に抵抗性を示す患者さんの治療に繋がる。またsTIM-4は補助診断あるいは治療効果や予後予測に際して有用なバイオマーカーになる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
可溶型マウスTIM-4がマスト細胞やマクロファージに結合して炎症性サイトカインの分泌を誘導し、喘息マウスや関節炎マウスの病態形成に関わることを明らかにしてきた。従って、ヒトでも同じ現象が起こっている可能性がある。これを検証するため、可溶型ヒトTIM-4の測定方法を確立して、可溶型ヒトTIM-4の存在を証明し、機能を明確にするとともに、喘息疾患の患者血清から可溶型ヒトTIM-4の検出を試みて疾患との相関を検討することが急務と考えている。
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Research Products
(52 results)
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[Journal Article] Transcriptional regulation of the mouse CD11c promoter by AP-1 complex with JunD and Fra2 in dendritic cells.2013
Author(s)
Hara M, Yokoyama H, Fukuyama K, Kitamura N, Shimokawa N, Maeda K, Kanada S, Ito T, Usui Y, Ogawa H, Okumura K, Nishiyama M, Nishiyama C.
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Journal Title
Mol Immunol
Volume: 53
Pages: 295-301
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The receptor LMIR3 negatively regulates mast cell activation and allergic responses by binding to extracellular ceramide2012
Author(s)
Izawa, K., Y. Yamanishi, A. Maehara, M. Takahashi, M. Isobe, S. Ito, A. Kaitani, T. Matsukawa, T. Matsuoka, F. Nakahara, T. Oki, H. Kiyonari, T. Abe, K. Okumura, T. Kitamura, and J. Kitaura
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Journal Title
Immunity
Volume: 37
Pages: 827-839
DOI
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