2011 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球チップを用いたウイルス感染症に対する個の免疫医療の基盤技術の開発
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23390264
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
小澤 龍彦 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
北島 勲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
二階堂 敏雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
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Keywords | 感染症 / リンパ球チップ / 免疫治療 / 抗体遺伝子 / TCR遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、我々が世界に先駆けて独自に開発した「リンパ球チップ」という革新的な抗原特異的リンパ球単離技術を応用し、感染症患者の血液や組織から、病原菌特異的ヒトTリンパ球/Bリンパ球を効率良く同定し、そのリンパ球からT細胞受容体(TCR)/抗体遺伝子を迅速(1-2週間)に単離し、ウイルス感染症に対する個の免疫医療の道を開くための基盤技術を確立することを目的とする。 平成23研究実績は以下のとおりである。 【1】リンパ球チップの改良:磁気盤をチップに配置した磁気チップの最適化を検証した。本成果により、今後、より微量のサンプルをチップで解析することが可能になり、患者を含め血液提供者の負担をより軽減でき、抗体医薬開発と抗原特異的T細胞治療のさらなる加速に向けて貢献できることが期待される。 【2】ISAAC法の改良:ISAAC法を発展させるために、リンパ球をin vitroにてサイトカイン等で刺激することで、それらの細胞を効率よく抗体分泌細胞へ分化させる系を確立した。本成果により、今後目的の抗体を保有している健常人ないし患者に大きな負担をかけることなく、抗体医薬開発に貢献できることが期待される。 【3】ヒト抗体遣伝子解析の迅速化:in vitro蛋白合成系を用いたscFv(抗体が抗原を認識するために必要な最小単位であるVHおよびVL,から構成される可変領域(Fv)をフレキシブルなペプチドリンカーで結合した単鎖可変領域フラグメント)作製による短期間抗原結合性検索システムを開発した。本システムをマイクロアレイシステムー連の行程として自動化し、多数の抗体遺伝子の抗原結合活性を迅速に評価することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の4課題のうち、3課題について計画どおり研究が進んだ。また、課題の一つについては、基礎的なデータが蓄積されつつあり、次年度前半には計画が達成されると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
抗原特異的T細胞の検出することを目的として、3種類の検出法、すなわち、1)MHC/ペプチド五量体(MHC/p)T細胞へ結合させ、セルソータを用いて単一細胞を分離する方法、2)抗原でリンパ球を刺激し、サイトカインの角生を指標にセルソータを用いて単一細胞を分離する方法、3)抗原でリンパ球を刺激し、サイトカイン産生を細胞チップを用いて単一細胞を分離する方法(T-ISAAC法)を確立する。このうち、3)については、MHC/pをどのように可溶性にするかが課題であり、蛋白合成を行う場合はコストが問題となり、膜から単離する場合は技術面の問題がある。解決法としてリポームを利用した方法を検討している。
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Research Products
(19 results)