2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達異常による先天奇形症候群の分子遺伝学的探索
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23390268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 洋一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00209602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
新堀 哲也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40436134)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子診断 / Ras / シグナル伝達 / 遺伝子変異 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
1)ヌーナン症候群類縁疾患の症例収集と遺伝子解析 国内外の臨床遺伝専門医を通じて、ヌーナン症候群類縁疾患症例を収集し、世界的にも最大規模の収集数となった。これらの症例について既知病因遺伝子の解析をおこない、分子遺伝学的な分類を行った。遺伝子変異が不明な症例については、再度臨床的評価を実施したのち、次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析の対象とした。 2)次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析の確立 次世代シークエンサーを導入し、稼働を開始した。各検体のゲノムDNAから約38 Mbのエクソン領域(ヒトゲノム領域の約1%)を捕捉・濃縮した。得られた検体について、次世代高速シークエンサー(SOLiD4およびGenome Analyzer IIx)を用いた解析をおこない、全エクソンの塩基配列情報を得た。次にエクソームシークエンス結果の情報処理による解析を実施した。ここではまず、東北大学医学部の情報処理専家の協力を得て、この部分の情報解析パイプラインの構築をおこなった。候補遺伝子の絞り込みにあたっては、家系内および患者間での遺伝子変異の比較、SNPデータベース・遺伝子変異データベースとの照合、既存のannotation やkinomeによるパスウェイに基づく遺伝子の選択などをおこなった。解析により得られた候補遺伝子変異について、正常人コントロールの検討や、生化学的解析を行っている。 3)モデルマウス作製と表現型の解析 Ras/MAPK経路の遺伝子に患者と同じ遺伝子変異を持つ疾患モデルマウスの作製をおこなった。得られたマウスはヒトの臨床病型を反映しており、現在、その表現型を詳細に解析中である。マウスの症状を軽減するような薬剤を探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーを用いた原因遺伝子解析が概ね順調に進行しており、今年度は生化学的解析も行った。モデルマウス作製と解析も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り順調に進行しており、このまま計画を変更することなく研究を継続する予定である。
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Research Products
(6 results)