2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390303
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 昭久 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 准教授 (60275336)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 放射線治療 / 温熱治療 / 感受性 / がん幹細胞 / DNA二本鎖切断 |
Research Abstract |
がんの根治において、休眠状態のがん幹細胞が注目されている。がん幹細胞様細胞はX線によるDNA二本鎖切断(DSB)に対して、DNA修復能が高まっており、X線抵抗性を示すことが報告されている。一方、がん幹細胞様細胞は温熱感受性であることを示唆する注目すべき報告がなされた。 これまでに我々は、温熱感受性の主要因はDSBであることを提唱してきた。休眠期では相同組換え(HR)修復ははたらかず、非相同末端結合(NHEJ)修復のみはたらくことから、もし、温熱でNHEJ修復が阻害されているとしたら、がん幹細胞がX線には抵抗性なのに対して、温熱に感受性であることを説明することができると考えた。 今回、ヒト非小細胞肺がん細胞H1299を用い、HR修復阻害剤(Rad51阻害剤: B02)およびNHEJ修復阻害剤(DNA-PK阻害剤: NU7026)による温熱増感効果をコロニー形成法で調べた。その結果、X線に対して増感効果の認められるNU7026の濃度においても、温熱の増感効果は認められなかった。一方、B02単独では細胞致死に影響のない濃度で、温熱の増感効果が高まることを明らかにした。これまでに我々が見出してきたHR修復関連遺伝子が欠損または変異した細胞がそれぞれの親株細胞に比べて温熱に感受性であるのに対して、NHEJ修復関連遺伝子が欠損または変異した細胞では親株細胞と温熱感受性に違いが認められないこととを支持する結果が得られた。 以上のことから温熱でDNA二本鎖切断が生じ、がん細胞に対してHR修復の阻害剤は温熱感受性を高める増感剤候補になることが示唆された。さらに、温熱処理によりNHEJ修復がはたらかないことが、がん幹細胞様細胞が温熱感受性となる一要因として示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)
-
-
[Journal Article] Increase in cell motility by carbon ion irradiation via the Rho signaling pathway and its inhibition by the ROCK inhibitor Y-27632 in lungadenocarcinoma A549 cells.2014
Author(s)
Kazutoshi Murata, Shin-ei Noda, Takahiro Oike, Akihisa Takahashi, Yukari Yoshida, Yoshiyuki Suzuki, Tatsuya Ohno, Tomoo Funayama, Yasuhiko Kobayashi, Takeo Takahashi, Takashi Nakano
-
Journal Title
J Radiat Res.
Volume: 55
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Presentation] 放射線抵抗性がん幹細胞様細胞における温熱感受性2013
Author(s)
高橋昭久, 馬洪玉, 久保誠, 中川彰子, 吉田由香里, 桑原義和, 福本学
Organizer
日本ハイパーサーミア学会第30回大会
Place of Presentation
横浜シンポジア (神奈川県横浜市中区山下町2 番地 産業貿易センタービル9 階)
Year and Date
20130830-20130831
-
-
-