2013 Fiscal Year Annual Research Report
難治性膵がんに対する革新的膵灌流療法の開発と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
23390306
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村田 智 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80322501)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 膵がん / 灌流療法 / 動物実験 / Pilot study / 臨床試験 / シスプラチン |
Research Abstract |
本研究は難治性膵がんに対する革新的新技術の開発・臨床応用を目的とし、平成25年度は前臨床研究として最終動物実験とPilot studyとしての臨床試験を開始した。動物実験では抗がん剤の膵外漏出をさらに減じるために注入速度40 ml/minで膵灌流療法を施行し、安全性・薬理学的にも良好な結果を得た。 世界初となる膵灌流療法は安全性・薬理学的に十分留意して注入速度40 ml/minと決定すると同時に抗がん剤注入システムと抗がん剤膵外漏出との関係は注入速度と門脈血流に依存する(膵外の血行動態を通常の血行動態に近づける)ことが新たな知見として既出の特許出願とは別に新たに特許出願を行った(膵灌流装置及びその制御方法:特願2013-207612)。この研究成果は海外の医学雑誌に投稿中である。 膵灌流療法の臨床試験はPhase I studyを行っていく予定であるが、安全性を考慮してシスプラチン20 mg/m2の投与量で計6人の患者にPilot studyを開始した。患者はすべて病期IVbの方であり、他の治療法で効果がなく膵灌流療法を切望された方である。血管造影で注入速度を40および60 ml/minで造影すると60 ml/minでは膵外への造影剤の漏出が観察できたため40 ml/minで治療を行った。膵灌流療法治療後はGrade3以上の有害事象はなく、懸念していた膵炎も認めなかった。さらに、縮小効果もみられ、治療を受けた5人全員が現在生存中である。Pilot studyの6人全員の安全性と有効性が確認されれば、今後はUMIN登録を行い、Phase I/II studyを行っていく予定である。 8年以上のラットを用いた基礎研究・ブタを用いた動物実験を経て、世界初となる膵灌流療法が現実となった。しかし、膵癌患者の予後改善と膵灌流療法の更なる改良に向けて今後も研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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