2012 Fiscal Year Annual Research Report
連続可変拡大ブラックピーク照射法によるがんの高精度陽子線治療の研究
Project/Area Number |
23390308
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
西尾 禎治 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, ユニット長 (40415526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修一 広島大学, その他の研究科, その他 (20360521)
阿蘇 司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (30290737)
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
小泉 哲夫 立教大学, 理学部, 教授 (90147926)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線治療物理学 / 荷電重粒子線照射技術 |
Research Abstract |
従来の陽子線治療では深部方向の均一線量幅を“患者毎の腫瘍サイズ”に一致させて照射する技術は実現されて来なかった。本研究では、これまでの研究開発で培った経験と知識を活かし、患者毎の腫瘍サイズに一致させた連続可変拡大ブラックピーク照射法を研究開発し、がんの高精度陽子線治療を実現する。本手法では、治療用陽子線サイクロトロン加速器から提供される連続ビームと回転型レンジモジュレーターホイールの回転位置の同期を取ることで、陽子線の深部方向の均一線量分布を患者毎の腫瘍サイズに合わせて整形させる。 これまでの研究開発で製作した連続可変拡大ブラックピーク照射用の回転型レンジモジュレーターホイールを組み込んだ回転角度陽子線照射同期システムの製作を行い、ホイールの回転スピードを変化させることでSOBP幅に相当する回転角度に同期したビームon-off信号の出力動作試験を実施した。模擬ビーム照射環境としてビームon-off信号に同期して発光するレーザーシステムを構築し、レーザー発光の検証及びオシロスコープでの出力信号確認を実施した。開発したプラスチックシンチレーター検出器を利用した線量分布計測器システムの陽子線照射基礎実験を実施し、線量率と検出器からの光量の相関データの取得、光量の阻止能依存性の検証を行った。検出器内での光量発散による効果を計算で考慮することで阻止能依存の少ない線量分布が観測可能であることが解った。これまで開発してきたGEANT4シミュレーション・ツールキットを用いたシミュレーション基盤PTSIM(Particle Therapy System Simulation Framework)でのCT値-領域区分での人体組成変換システムを用いた、人体組成別画像利用線量分布及び可視化用アクティビティ分布計算のための機器構築と簡易計算による動作検証を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度内に予定していた、回転レンジモジュレーター系、線量分布計測系、人体組成別線量計算系の装置開発とその動作試験は大凡順調に実施できた。その一方で、開発した装置の治療用高エネルギー陽子線を利用した基礎実験の充実度が不足気味であった。そのため、次年度以降は治療用高エネルギー陽子線を用いた実験及びそのデータ解析に重点を置いていかなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度までの研究開発の成果に対して、回転レンジモジュレーターホイール・回転角度陽子線照射同期システムにおいては、回転角度に応じた出力信号形式と陽子線同期照射のための入力信号形式が異なっているため、同期用入出力信号形式の統一化を図る。プラスチックシンチレーター検出器を利用した線量分布計測システムにおいては、陽子線照射による検出器からの発光量のサチレーション効果が検出器内での発光量の散乱成分を積分処理することで陽子線の阻止能依存を軽減させることがこれまでの研究成果として判明した。そのため、検出器内での全発光量をカメラで効率良く取得可能な検出ハード面及びデータ収集ソフト面の改良を施す。人体組成別画像利用線量分布及び可視化用アクティビティ分布計算機器に関しては、患者CT画像の画素値から体内臓器に対応した組成分別の変換方法の再検証及び変換計算の機能の簡便性の向上を目指した改良を行う。 研究の最終年度にあたる本年度は、これまでの研究開発された装置等を統合化させて総合試験を実施する。 本年度も前年度に引き続き、研究代表者が中心となり、医学物理学、放射線腫瘍学、基礎物理学、シミュレーション工学の専門家及び大学院生を含めた研究体制の上で系統的な研究開発を遂行する。
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Research Products
(51 results)
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[Journal Article] Correlation among 16 biological factors [p53, p21(waf1), MIB-1 (Ki-67), p16(INK4A), cyclin D1, E-cadherin, Bcl-2, TNF-α, NF-κB, TGF-β, MMP-7, COX-2, EGFR, HER2/neu, ER, and HIF-1α] and clinical outcomes following curative chemoradiation therapy in 10 patients with esophageal squamous cell carcinoma2013
Author(s)
Shibata-Kobayashi S
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Journal Title
Oncol Lett.
Volume: 5(3)
Pages: 909-910
Peer Reviewed
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