2013 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素微小環境における胃癌細胞の悪性形質獲得の機序解明と治療標的分子の探索
Project/Area Number |
23390329
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
八代 正和 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60305638)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胃癌細胞 / 線維芽細胞 / 癌微小環境 / 低酸素 |
Research Abstract |
スキルス胃癌細胞(SGC)の増殖進展には周囲微小環境に存在する癌関連線維芽細胞(CAF)が関与することを明らかにしてきた。癌の増殖進展により増加した癌組織低酸素領域は、癌細胞の悪性度を促進することが報告されている。しかし、この悪性度亢進機序は明らかにされていない。そこで、低酸素がSGCとCAFとの相互作用におよぼす影響を検討した。SGC細胞株(OCUM-2M, OCUM-2MD3,OCUM-12)とCAF(CaF-53)を通常酸素環境と低酸素環境にて共培養し、増殖能,遊走能や、増殖因子産生、及び増殖因子受容体発現を、細胞数算定やRT-PCR,Western blotにて比較検討した。また、CAFの産生するCXCL12 (SDF-1α)をELISA法で測定し比較検討した。さらに低酸素環境において、c-Met阻害剤やCXCR4阻害剤が癌細胞の増殖能や遊走能におよぼす影響を検討した。SGCはCAFと共培養することで、通常酸素では増殖能は1.3倍、遊走能は1.4倍に増加したのに対し、低酸素環境ではさらに、増殖能が1.6倍、遊走能が2倍に増加した。低酸素環境は通常酸素に比し、SGC細胞のCXCR4発現が亢進し、CAFのCXCL12産生も2.5倍亢進した。低酸素環境はSGCの増殖浸潤を促進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究により、胃癌間質から癌関連線維芽細胞を新たに樹立することが出来た。さあらにこの癌関連線維芽細胞を用いて、低酸素における胃癌と癌間質の相互作用を明らかにすることが出来た。これらの研究結果は、予定した研究の成果であり、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究により、低酸素における胃癌と癌間質の相互作用が明らかになった。そこでその機序である、c-MetやCXCR4の阻害剤を用いて治療法の開発を行う。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Design and synthesis of a series of alpha-benzyl phenylpropanoic acid-type peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR) gamma partial agonists with improved aqueous solubility.2013
Author(s)
Ohashi M, Oyama T, Putranto EW, Waku T, Nobusada H, Kataoka K, Matsuno K, Yashiro M, Morikawa K, Huh NH, Miyachi H.
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Journal Title
Bioorg Med Chem.
Volume: 21
Pages: 2319-32
DOI
Peer Reviewed
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