2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390335
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉谷 徹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (90448035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00243220)
島村 和男 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10507205)
白川 幸俊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (20457013)
吉川 泰司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40570594)
鳥飼 慶 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70364792)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 解離性大動脈瘤 / ステントグラフト |
Research Abstract |
スタンフォードB型大動脈解離に対する低侵襲治療としてステントグラフトによるエントリー閉鎖が注目されており、その良好な初期成績のみならず遠隔期に大動脈リモデリングを達成した症例では遠隔期予後が良好である事を我々はこれまでの研究にて報告してきた。しかしながら、エントリー閉鎖後に有効に大動脈リモデリングを達成できる因子は不明であり、その解明が今後の治療体系構築に大きく寄与するものと考えられてる。 本研究の目的は、エントリー閉鎖後の大動脈リモデリング達成に関わる因子として、解離発症から治療までの期間(Effective Remodeling Duration; ERD)を同定すること、およびリモデリング達成を予測するバイオマーカーを同定する事である。 まずERDの同定に関して、臨床的探求として解離対応型デバイスを用いた多施設共同前向き研究であるREMODEL trialを、平成24年度に厚生労働省先進医療Bとして認可頂いた。この結果、平成24年10月に第1例目のエントリーが大阪大学にて行われ、平成24年度中に6例のエントリーを行った。平成25年度には協力医療機関からのエントリーも予定されており、順次症例数を増加する予定である。 バイオマーカーの同定においては、大動脈解離解析の前駆研究として腹部大動脈瘤におけるMicroRNA分布を解析し、大動脈瘤固有と考えられるMicroRNAの同定を達成した。更に、動物実験では大動脈解離モデルの作成を行った。全身麻酔下に左後側方切開にて下行大動脈に到達。大動脈遮断後に外膜のみを切開し、中膜を剥離することで解離腔を作成。Aortic puncherにてエントリー・リエントリーを作成し、外膜のみを縫合閉鎖し遮断解除する事で、真腔・偽腔に血流が流れるdouble barrel型大動脈解離を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床的探索の基幹となる多施設共同前向き研究(REMODEL trial)が厚生労働省先進医療Bとして承認され、実際にエントリーを開始できたため、有効リモデリング期間(ERD)解析において大きな前進が得られた。また基礎的探索では動脈瘤固有のMicroRNAの同定、大動脈解離モデルの作成を行い、平成24年度計画に照らし概ね順調に伸展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的探索においては、協力医療機関からのエントリーを開始し予定症例数のエントリーを速やかに進める事で、ERDの解析に使用可能なデータ収集を進める予定である。また、大動脈解離モデルを複数作成し、バイオマーカー同定に必要な検体作成を進める予定である。
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Research Products
(9 results)