2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390348
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 善文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70126241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30304299)
大橋 俊孝 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50194262)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コラーゲン / 脳小血管障害 |
Research Abstract |
脳毛細血管は、他臓器の毛細血管とは異なり、血液成分の物質透過が高度に制御されており、血液-脳関門を構成する。さらに内皮細胞と基底膜に裏打ちするアストロサイトやペリサイトが血液-脳関門を調節することが知られている。基底膜はIV型コラーゲンなど複数の成分から構築され、細胞の接着性基質などとして働くと考えられる。最近、脳小血管障害の原因遺伝子が複数報告され、脳の小血管の脆弱性を生み出す機序が少しずつ明らかになってきている。本研究では、その原因遺伝子のひとつ、COL4A1(IV型コラーゲンα1鎖)に着目した。基底膜の構成成分であるCOL4A1遺伝子産物の変異による内皮細胞とアストロサイトで作られる基底膜の異常が脳小血管の出血を引き起こす機序を明らかにする。また、COL4A1遺伝子の変異が血液-脳関門の破綻につながる可能性も追求する。COL4A1の血液-脳関門における機能を明らかにするため、解析系として、腫瘍壊死因子(TNF)αの静脈注射を行った後に、血液-脳関門の破綻を引き起こすというマウス脳炎モデルを作製した。そこで、IV型コラーゲンについてWestern blot法にて解析したところ、IV型コラーゲンの分解を捉えることができた。ついでTNFαを静脈注射後に継時的に、血液-脳関門の破綻とIV型コラーゲンの分解の関連性について解析を行った。またIV型コラーゲンの分解にどのような酵素が関与しているのかについても検討した。解析途中であるが、明らかになれば、血液-脳関門の破綻に関する新しいメカニズムの提唱が可能になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の成果は当初の変異マウスの解析に至らなかったものの、いくつかの解析系の確立と正常COL4A1を用いた解析結果を得た。いずれも、今後の研究計画を進めるうえで重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の成果を基盤とし、変異を用いた解析を含めIV型コラーゲンが及ぼす生物学的機能を解析する。
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[Journal Article] Tumor growth inhibitory effect of ADAMTS1 is accompanied by the inhibition of tumor angiogenesis.2012
Author(s)
Obika M, Ogawa H, Takahashi K, Li J, Hatipoglu OF, Cilek MZ, Miyoshi T, Inagaki J, Ohtsuki T, Kusachi S, Ninomiya Y, Hirohata S.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 103
Pages: 1889-1897
DOI
Peer Reviewed
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