2012 Fiscal Year Annual Research Report
一般住民コホートの全脊椎MRI検診データを用いた脊椎疾患のエビデンス解明
Project/Area Number |
23390357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60282662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 重之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40401070)
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60240355)
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401064)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | MRI / 脊椎疾患 / コホート |
Research Abstract |
本研究では、一般住民コホートにおける脊椎MRI検診を実施して、脊柱管狭窄症など脊椎疾患の基本疫学指標の解明をおこない、研究者らが開発した脊椎画像解析ソフトを用いて計測を行い、脊椎疾患と関連する因子を環境因子と遺伝因子の双方のアプローチにより解明することを目的としている。研究初年度である昨年度に、全脊椎MRI検診データの解析を行って、頚部脊柱管狭窄症および腰部脊柱管狭窄症の有病率を明らかにし、学会報告した。更に、狭窄と運動指標との関連の解明を進め、脊柱管狭窄があると、臨床的に狭窄症症状が無いにもかかわらず歩行速度など運動能力が低下することを明らかにした。この結果は今年度論文報告した(Osteoarthritis Cartilage 20: 1103-1108, 2012. およびSpine (Phila Pa 1976) 37: 1892-1898, 2012.)。他の脊椎疾患についても解析中である。MRIを用いた全脊椎椎間板変性に関する分析を行った結果、脊柱の複数の特定部位における変性の有病率が高いことが判明し、立位におけるメカニカルストレスと椎間板変性との関係に関する知見を得た(論文投稿準備中)。一方、脊椎疾患の疾患感受性遺伝子探索研究では、画像解析プログラムによる脊椎計測指標により表現型を定義した変形性脊椎症において、疾患感受性候補領域の絞り込みを行っているが、ゲノムワイド関連解析の結果と、さらに複数のコホートでの解析結果から、再現性のある有望な領域を明らかにすることに成功した。今後さらに精査をおこなって、疾患感受性遺伝子の同定を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全脊椎MRI画像データと臨床情報データベースの解析から、頚部脊柱管狭窄症と腰部脊柱管狭窄症の一般住民集団における有病率を解明し、狭窄と運動能力低下との関連を解明して論文化することができた。椎間板変性など他の脊椎疾患の解析も進んでいる。画像解析システムも開発が進行しており、遺伝子解析においても変形性脊椎症における有望な疾患感受性領域の解明に成功しており、計画は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の計画変更はなく、次年度以降、当初の計画に従い、研究を進めていく。
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